08.10.20 up |
ファインダイニングでシャンパーニュを楽しむとき、そこには必ず素晴らしいソムリエがいる。そんな素晴らしいソムリエたちを毎年送り出しているコンテストがあるという。シュワリスタ・ラウンジはこのコンテストを通じてシャンパーニュとソムリエの関係を考えてみたい。
text: 岩瀬大二 photo: NORICO
取材協力: メルシャン株式会社 / レストラン「アビシウス」
私たちにとってソムリエの仕事とは何だろう? ソムリエがワインを提供する仕事であることは誰もが知っているし、資格にも正式な規定がある。ただ、「私たちにとってのソムリエ」ということでいえば、規約的なものではなく、もっと気分によったものになる。 |
そんな中、これまで多くの一流ソムリエを輩出してきた『キュヴェ・ルイーズ・ポメリー ソムリエ コンテスト』が、今年も開催される。主催はメルシャン社とポメリー社。決勝は11月25日。 |
これが通常のソムリエ コンテストであれば、
我々はそんなに注目はしなかったかもしれない。注目すべきポイントはポメリー社が推進していることである。ポメリーという偉大なシャンパンメゾンのひとつがソムリエの育成に力を入れているのだ。 |
ロイヤルブルーのエチケットが印象的なポメリー。1836年にシャンパーニュの都・ランスで生まれ、1890年にはマダム・ポメリーの手により当時としては最大規模の200万本以上の出荷を誇るなど、早くからグラン・メゾンとしての風格を醸す世界ブランド。なんといっても最大の歴史のトピックは辛口(ブリュット)シャンパーニュを生み出したこと。現在、シャンパーニュ=辛口というイメージがあるが、これを作り出したメゾンこそポメリーである。現在も歴史に固執せず、さまざまな革新や、若手アーティストの育成などを行っている。コンクールの名前にもなっている『キュヴェ・ルイーズ』はマダム・ポメリーの愛娘の名前を冠したプレスティージュ・シャンパーニュである。 ポメリー公式HPはこちら >> |
そんな日本のトップレベルのソムリエを輩出しているコンテストについて、sHのスペシャリストたちからコメントをいただきました。
最難関のソムリエ コンテストは「キュヴェ・ルイーズ」だ。ワインだけでなくシャンパンの知識とサービスも必要なので、選手のレベルは非常に高い。2年前に最終審査を見てそう思った。試飲では、フランス、イタリア産だけじゃなく、日本、ハンガリー、アルゼンチン産ワイン、芋焼酎やウィスキーまで飲む。マルベックみたいな品種をずばっと当てた選手もいて驚いた。 |
シャンパーニュ・ブームが定着しつつある今日、生産者と飲み手を繋ぎ、且つ豊富な知識と経験を活かし、お客様を官能的なワインの世界に誘ってゆく重要な役割を持つソムリエという仕事。日本のソムリエが世界で活躍できるよう、当コンテストも皆で応援していきたいですね。
|
この大会はシャンパーニュの名を冠した非常に珍しいソムリエ コンテスト。昨今、日本でのシャンパーニュ需要が増えているので、このコンテストをきっかけに、レストランなどで働くソムリエたちのシャンパーニュに対する知識や経験、サービスが今より向上していくのを期待しています。
|