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POMMERY SPECIAL ISSUE 01 Champagne x Sommelier

08.10.20 up

知られざるプロフェッショナルな世界 泡を彩る幸せ、そして使命 シャンパーニュとソムリエの関係

ファインダイニングでシャンパーニュを楽しむとき、そこには必ず素晴らしいソムリエがいる。そんな素晴らしいソムリエたちを毎年送り出しているコンテストがあるという。シュワリスタ・ラウンジはこのコンテストを通じてシャンパーニュとソムリエの関係を考えてみたい。

text: 岩瀬大二 photo: NORICO
取材協力: メルシャン株式会社 / レストラン「アビシウス」

厳しく、しかし豊かに提供してくれるソムリエはシャンパーニュのスペシャリスト

私たちにとってソムリエの仕事とは何だろう? ソムリエがワインを提供する仕事であることは誰もが知っているし、資格にも正式な規定がある。ただ、「私たちにとってのソムリエ」ということでいえば、規約的なものではなく、もっと気分によったものになる。

それは、私たちの幸せな時間をさらに豊かにしてくれる、シャンパーニュのスペシャリストであること。そのために必要なのは私たちを遥かにしのぐシャンパーニュへの造詣と真摯な態度、さらに厳しい目線を持つプロフェッショナルであること。その一方で私たちと同じだけの大きなシャンパーニュへの愛と、そんなラヴァー達の愛をさらに広げ深めてくれる温かい心を合わせもつこと、ということになるのだろう。シャンパーニュを楽しむ幸せな時間に必要な人、であることに間違いはない。

コンテストに勝ち抜くこととシャンパーニュ・ラヴァーに幸せを提供すること

そんな中、これまで多くの一流ソムリエを輩出してきた『キュヴェ・ルイーズ・ポメリー ソムリエ コンテスト』が、今年も開催される。主催はメルシャン社とポメリー社。決勝は11月25日。

日本の若手ソムリエの育成を目的として1993年、『ポメリー ソムリエ スカラシップ』としてスタート。2002年からは、ポメリーのプレステージキュヴェである「ルイーズ」の名を冠し、「世界に通用するシャンパーニュのスペシャリスト」の育成をテーマとして日本のトップ・ソムリエを目指すコンテストと位置づけを変えている。キャリア5年以上、将来にわたり、その職務を遂行する意思を有するソムリエを対象とした非常に質の高いコンテストである。

これが通常のソムリエ コンテストであれば、 我々はそんなに注目はしなかったかもしれない。注目すべきポイントはポメリー社が推進していることである。ポメリーという偉大なシャンパンメゾンのひとつがソムリエの育成に力を入れているのだ。

シュワリスタ・ラウンジはこのコンテストを追いかけながら、私たちとシャンパーニュの間を幸福にし、そして素敵な時間と空間を、確かな技術と審美眼、そしてなによりも素晴らしい愛で提供してくれる、ソムリエという存在に注目し、シャンパーニュとソムリエの関係を探っていきたい。もっと幸せにシャンパーニュを楽しむために…。

POMMERY ロイヤルブルーのエチケットが印象的なポメリー。1836年にシャンパーニュの都・ランスで生まれ、1890年にはマダム・ポメリーの手により当時としては最大規模の200万本以上の出荷を誇るなど、早くからグラン・メゾンとしての風格を醸す世界ブランド。なんといっても最大の歴史のトピックは辛口(ブリュット)シャンパーニュを生み出したこと。現在、シャンパーニュ=辛口というイメージがあるが、これを作り出したメゾンこそポメリーである。現在も歴史に固執せず、さまざまな革新や、若手アーティストの育成などを行っている。コンクールの名前にもなっている『キュヴェ・ルイーズ』はマダム・ポメリーの愛娘の名前を冠したプレスティージュ・シャンパーニュである。 ポメリー公式HPはこちら >>

sH的スペシャリストからのコメント

そんな日本のトップレベルのソムリエを輩出しているコンテストについて、sHのスペシャリストたちからコメントをいただきました。

葉山考太郎(ワインライター)

「ドレミファソラシド」コンテスト

最難関のソムリエ コンテストは「キュヴェ・ルイーズ」だ。ワインだけでなくシャンパンの知識とサービスも必要なので、選手のレベルは非常に高い。2年前に最終審査を見てそう思った。試飲では、フランス、イタリア産だけじゃなく、日本、ハンガリー、アルゼンチン産ワイン、芋焼酎やウィスキーまで飲む。マルベックみたいな品種をずばっと当てた選手もいて驚いた。

みんな苦労したのが意外にもシャンパーニュを抜栓して注ぎ分ける課題。8個のグラスに注ぐとき、グラスを重ねるごとに量が増えたりする。ドキドキで見ていると、当の選手が「ドレミファソラシドって音がしそうですね」と言ったため、会場が爆笑。物凄い緊張感の中、この鋭い切り返しは素晴らしい。毎回、こんな筋書きのないドラマが生まれるので楽しみにしている。

宮崎賢(恵比寿Divin 店長)
乾杯!
シャンパーニュ・ブームが定着しつつある今日、生産者と飲み手を繋ぎ、且つ豊富な知識と経験を活かし、お客様を官能的なワインの世界に誘ってゆく重要な役割を持つソムリエという仕事。日本のソムリエが世界で活躍できるよう、当コンテストも皆で応援していきたいですね。
前田行紀(sH編集ライター)
シャンパーニュを知るソムリエを!
この大会はシャンパーニュの名を冠した非常に珍しいソムリエ コンテスト。昨今、日本でのシャンパーニュ需要が増えているので、このコンテストをきっかけに、レストランなどで働くソムリエたちのシャンパーニュに対する知識や経験、サービスが今より向上していくのを期待しています。
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