11.6.30 up
G.H.マムは、F1などを通じて勝利者のシャンパーニュという印象が強い。
困難に打ち勝ったときにシャンパーニュで幸せの瞬間を分かち合う、
その喜び、笑顔。明るさを忘れがちになる今だからこそ…
シュワリスタ・ラウンジはG.H.マムからのメッセージを聞きたい。
text: 岩瀬大二(sH 編集長) photo: norico
シャンパーニュの世界に入り僅か10年あまりのキャリアで、2006年、G.H.マムのセラーマスター(最高醸造責任者)に就任したディディエ・マリオッティ氏。コルシカ出身の煌めく、稀有な「才能」は、伝統あるメゾンの今とこれからをどのように捉えているのだろうか。そして、「勝利を分かち合うシャンパーニュ」を生み出すメゾンとして、今、日本で伝えたいこと。結論、やはりシャンパーニュは人を笑顔にする。
セラーマスターに就任するにあたって、「何かを変えよう」とは思いませんでした。醸造の仕方、哲学など、前任者(ドミニック・ドゥマルヴィル氏)と私の息は、ぴったりあっていましたから。そもそも、このメゾンが好きで加わったのですから、革命を起こす必要はありません。今、G.H.マムにいるからこそ、私のやりたいことが実現しているのです。私が選ばれたのは、このメゾンの歴史を次代に継承していくため。マム ド クラマンの魅力、紋章ともいえるコルドン ルージュ、1杯飲んでまた1杯飲みたくなるロゼのテイスト…、どのメゾンを選ぶかは自分次第。そして、私は、G.H.マムを選んだのです。
G.H.マムは、「成功をわかちあうシャンパーニュ」として世界的に知られています。象徴的な存在としてシャンパーニュとF1との関係があります。G.H.マムは2000年より、公式シャンパーニュとしてサポートをしています。表彰式でのシャンパン・ファイト、そしてその後、ドライバー、チーム、関係者がG.H.マムをみんなで一緒に飲む。シャンパーニュほど勝利、成功、それによりもたらされる幸せをみんなで分かち合うことがふさわしい存在はないでしょう。
現在、日本の皆さま、特に被災地にお住いの皆さまは大変な想いの中にいらっしゃることでしょう。シャンパーニュのきらめく泡は、すべてを癒してくれるわけではないけれど、楽しさをもたらしてくれるきっかけになる。そこで、幸せを分かち合うシャンパーニュ、G.H.マムを通じて。これが私の心からの気持ちです。
G.H.マムのシャンパーニュを女性に例えると…楽しい話題ですね(笑)。シュワリスタ・ラウンジのこのユニークな質問にもお答えしましょう。シャンパーニュをもっと飲まないと答えづらいですけど(笑)。マム ド クラマンは繊細な若い女性。コルドン ルージュは、肉付きのしっかりとした美しい女性、そしてロゼは、地中海の太陽が似合う…そうですね、私の故郷コルシカの女性かな。実際のコルシカの女性は、あまり大きな声では言えないけれど結構キツいところもあるんですが(微笑)。こういう話を、シャンパーニュを味わいながらするもの楽しくなるものですね。
素直に、素直に。
クラマンのシャルドネ。その魅力は、複雑さではなくフレッシュ感。それがマリオッティ氏の答え。口に含んだ瞬間、爽やかでまっすぐなクラマンのシャルドネが広がる。まっすぐでも繊細に広がる秘密は、通常よりも柔らかいガス圧。レモンなどの柑橘類から白い花への変化は素直に訪れるが、その後に感じる骨格の強さが、MUMM×グランクリュ畑の奥深さか。牡蠣をはじめとするアペリティフに。フルートよりも大ぶりのグラスが似合う。クラマンのシャルドネ100%。
優美なマルシェ。
「造り手としては一番難しい。でも、そこが楽しい」とマリオッティ氏が言うMUMMの定番キュヴェ。およそ80の村から集めた約300種類の葡萄から毎年変わらないクオリティを生み出す。背骨となるのは、25%を構成するリザーヴワイン。村、ぶどう、リザーブ…これらを鋭敏な感性と伝統の法則で組み合わせることがコルドンルージュの真骨頂。目の前に広がるシーンは「マルシェ(市場)に溢れる生のフルーツ」。熟した果実の風味が広がり、次第にゆっくり変化していく。ホタテ、鶏肉、和食では天ぷらなどを合わせて。
太陽ごと味わう。
ベースとなる考え方はコルドン ルージュと同一だが、そこに赤ワイン15%をブレンドすると広がるのは別世界。すべてシャンパーニュの葡萄なのに、プロヴァンスの軽快で明るくて、思わず笑顔になってしまうようなロゼワインの趣。いちご、フランボワーズが最後まで繊細な存在感と集中力で続いていく。軽くとも軽薄ではない。マリオッティ氏のお奨めは「太陽が燦々と輝く下で、のどが渇いているときに。また夜のパーティを爽やかに」。「2杯目はもういいや、ではなく、1杯飲んだらまた1杯飲みたくなるような」というコンセプト通り。午後のテラスで赤いフルーツのカクテルサラダなどとあわせて。
真の街、神楽坂の“ブション”です。2011ミシュランガイドで一つ星を獲得しました。“ブション”とは温もりのある雰囲気の中、フランス・リヨンの名物料理と美味しいワインを楽しむレストランの総称です。細部にまでこだわったインテリア、素材の持ち味をいかしたシンプルかつ洗練されたリヨン料理。ぜひ本場リヨンを味わってください。 住所: 東京都新宿区神楽坂4-3-7海老屋ビル1F ※夏季休業は8月1日から8月15日です。営業再開は8月16日になります。 |
東京・神宮前に東郷の杜と共存し佇むフランス料理店「Restaurant-I」。 住所: 京都港区赤坂1-12-33 ANAインターコンチネンタルホテル東京 3F |
シャンパン専門のバーとして、常時25種類以上のグラスシャンパンをご用意してます。店内は外国人ゲストなど国際色豊かな人々の姿で演出され、お気軽なランチから、イブニングタイムに人気がある「Happy Hour」まで上質な時をお届けします。華やかなシャンパン、気品のあるカクテルなど洗練された空間でお楽しみください。 住所: 京都港区赤坂1-12-33 ANAインターコンチネンタルホテル東京 3F |
Vol.50
シュワリスタが選ぶ シュワリスタ・アワード2010 10年のシーンを飾った珠玉のシャンパーニュたち (10.12.28)
Vol.49
TOKYO BOLLY'S NIGHT Act.2 あの喜びを、再び (10.12.27)
Vol.48