「あなたの一番好きなシャンパーニュはなにですか?」
この仕事をしていると、よく尋ねられる質問の一つである。
正直に答えようか・・・・
適当に答えようか・・・・
嘘をつこうか・・・
どうしてやろうか・・・
と、迷うところである。
なぜなら、そこに答えは……..ない!
ないのである。一番好きなシャンパーニュがないのである。
「えっ~!!!!!ないの!?」
ハイ!ないのである!!
永遠に続く人生が無いように、シャンパーニュの好みも同じである。
自分も歳をとれば、シャンパーニュも年を重ねるのである。
だいたいシャンパーニュにランク付けすること自体がノ・ノン・ノンである。
たとえるならこうである。
ずっと気に入っていたロングヘアー。今日は大好きなあの人とのデート。
朝からバシッとキマッた今日のヘアースタイル!眉の形もパーフェクト♪
今日のための特別なコーディネート!勝負下着(笑)
待ち合わせ場所まで颯爽と歩くハイヒールのコツコツという音も軽快だ。
そこへ現れた大好きなあの人。憧れのあのオープンカーが超素敵♪
緑の中を走り抜けていく真っ赤な~~♪
ブンブ~~ン♪ BGMは達郎さん♪
加速するオープンカーぁぁぁっぁ~~ぁっあああぅっ!!!
ピュ~~~~~うぅぅぅ~!!!!
WOW!突風でモジャもじゃになる今日この頃の髪型….
嗚呼も~~(><)
髪型を変えるか、屋根つけてもらうか??
楽しげに運転する素敵なあの人にそれは気まずい!
車を替えてもらうか?違う人にするか?
嗚呼、そんな感じである。
ん?どんな感じって?
しらんけど。
それは造り手も世代交代しスタイルも時と共に微妙に変化し、自分を取り巻く環境も変化した証拠である。
それはシャンパーニュのせいでもなく、自分のせいでもない。
ただ時が流れ、互いのベクトルがちょっと噛み合わなくなっただけである。
昨日までの二人の関係に、居心地の悪さを覚えこともある。恋愛もそうかな。
そんな時は、離れるのがベストである。噛み合わなくなった歯車には違和感しか残らない。
シャンパーニュは星の数ほどある。違うシャンパーニュを探す旅に出れば良いのである。
二人は互いに経験を重ね、ふたたび惹かれあい縒りを戻す。それはそれでよし!
もう二度と出会うことはないかもしれない。それでよし!
出会ってからずっと一途に死ぬまで添い遂げる。それもまたよし!
だから一番好きなシャンパーニュはないのである。
ぜ♪ん♪ぶ♪だ~い好き♪
とはいえ、このシュワトークをザクッとスタンドシャン食のカウンターで、
昔から一途に大好きな某銘柄瓶ビールを飲みながら書いているワタシ。
この好みは変わることはないであろう。あしからず・・・・
シャンパンと餃子の人
モトダタケアキ