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最初は、サロン / ドゥラモットだった。シャンパーニュを愛するようになって、初めてシャンパーニュで門を開いたメゾンだ。この連載の初回も、ここから幕を開けた。 サロンでは、エチケットひとつまで職人の厳しい目が光る。この場所も実にこじんまりしたスペースだった。
それでもやはり、一部のシャンパーニュは、身の丈ではない価格になっていると思う。それでもなお、真摯にシャンパーニュ造りに関わっている人々は全うな感覚をもっている。「私たちの手から離れた、市場価格はその希少性に与えられるもので、決して価格で、品質や個性が左右されるわけではない」おそらくそれが総意なのではないだろうか。時間をかけて、少量しかとれないもの。それが高くなるのは必然だ。その希少なものを市場が求めれば価格が上がるのは必然だ。 モダンな雰囲気で著名なサロンだがカーヴへの階段は歴史を感じさせるもの。その奥には垂涎のオールド・ヴィンテージが…。
シャンパーニュは誤解がつきまとうものかもしれない。こんな時代に、シャンパーニュ? いや、僕らは浮かれているわけではない、今の世の中を忘れて憂さを晴らしたいわけじゃない。イメージだけでシャンパーニュを語ってはいけない。それがこの地で、シャンパーニュ造りの人々と話した、最も強い想い。それは最初の訪問であったサロンからすでに始まっていた。セレブアイテムであることは否定しない。 カーヴの中で静かに眠っていた97。そしてその奥にはこれからリリースされる新ヴィンテージたち。 |