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美味しさのため? もちろん、それもあります。でもシャンパーニュとグラスには不思議な関係があります。今回は5人の女性にまつわるシャンパーニュ × グラスの不思議な世界へご案内します。まずPart1でご紹介するのは3人の美女。3人3夜のストーリーの中で、あなたもきっとシャンパーニュ・グラスの世界に魅せられることでしょう。
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映画でドラマで小説で。古今東西、あらゆる物語のシーンを彩ってきたシャンパーニュとグラス。仄暗い室内、オレンジ色の照明によく映えるのは美女とシャンパーニュ。 バーカウンターで、小説よりもドラマチックかもしれないシーンを見てきた片岡由里さん。その彼女が、今宵カウンターに佇むひとりの女性にセレクトするのはどんなグラスとシャンパーニュでしょうか? |
平日19時のカウンター。切れ長の瞳に口角の上がった口元。勝気な表情に自信とプライドが伺える女性。クリュッグ ロゼをオーダーした彼女は携帯電話に目を移して、ため息ひとつ。瞬間、スッと自信に満ちた笑顔が消えました。 私は、重厚感あるステムに、フラットカットが施されたグラスをセレクト。本来の彼女は不器用で繊細なのかもしれないと感じたから。どこかアンバランスに見えて、でもそれがかえって美しい。仕事なのか、恋なのか…何だかわからないけれど、彼女にまた笑顔を取り戻して欲しいと思いながら、彼女にグラスを差し出しました。 KRUG Rosé × Flat Cut Glass 微かに褐色がかったピンク。極小の泡、そして絹のような滑らかさ。 |
時計の針が23時を回ったとき。扉から姿を見せたひとりの女性。その風貌に似つかわしくないバッグの大きさに仕事の疲れも引きずっているかのように見えました。リストを見るなり、フランソワ・エマール ブリュット・レゼルヴをオーダー。左の薬指にはゴージャスなゴールドリング。 私はロブマイヤーのバレリーナをセレクト。墺王室御用達でありながら、気取らない雰囲気を持つグラスを選んだのは、機能美と、内面から滲み出る美しさに彼女と似たものを感じたから。「お疲れ様です。そんなに頑張り過ぎないでくださいね」。ピンと張った背筋を見ていて、思わずそう声をかけたくなってしまいました。 FRANÇOIS HEMART × Lobmeyr 繊細ながら力強さを感じさせるボディは、名門アンリ・ジローならではの風格。 |
ふと時計を見ると21時。ひとり、カウンターにたたずむ線の細い華奢な女性。食事を続ける彼女が2杯目にオーダーしたのは、リュイナール ロゼ。 私は、独特の輝きと適度な重量感を持つクリストフルをセレクト。柔和な曲線で独特の光沢感を放つグラスを選んだのは、儚げながら芯の強さを感じられたから。女性が1人で食事するということは、実はとても難しいことです。ややもすると、寂しく孤独に見えてしまうから。それをいとも簡単に、優雅に軽やかにこなしている彼女に好感を抱きました。 RUINART Rosé Demi × Christofle 繊細な果実味と複雑なブーケを持つリュイナール ロゼ。 |
グラスの王者「Baccarat」(バカラ)とシャンパーニュをテーマに、対照的な2人の美女を巡るストーリーをお届けします。お楽しみに! |
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