Home > 特集 > 「グラン ヴィンテージ 2003 モエ・エ・シャンドンの素晴らしき挑戦」
Navigated BENOIT GOUEZ シュワリスタ・ラウンジ独占&日本先行公開 グラン ヴィンテージ2003 モエ・エ・シャンドンの素晴らしき挑戦
<< 前のページ | 1 | 2 | 3 | 4 | 次のページ >>

SPECIAL INTERVIEW

ブノワ・ゴエズ 日本で伝えたいこと

ゴエズ氏に編集長・岩瀬が訊く 新しい伝統への挑戦。創造と表現の背景。

シュワリスタ・ラウンジのためのスペシャル・テイスティング・セミナー後、分刻みの滞在にもかかわらずゴエズ氏(以下、BG)は、我々のために時間を作ってくれた。彼と同世代のシャンパーニュ・ラヴァーが多いシュワリスタ・ラウンジ会員にこそ伝えたいことがある。
そんな思いからだったのだろう。ワイン専門誌では聞けない「ここだけの話」も披露してくれた。

Benoit Gouez

フランス・ブルターニュ地方出身。2005年7月、35歳の若さで醸造最高責任者に就任。決断力と謙虚さを兼ね備えた醸造責任者としてモエ・エ・シャンドンのシャンパーニュ精神を守っている。

常に変化に対応していくこと その積み重ねが、新しい伝統になるのです。

岩瀬: 古い伝統、そして世界中から注目を集めるブランドであるモエ・エ・シャンドン。その中でグラン ヴィンテージのようなユニークなワインが送り出されたというのは我々には驚きでした。
BG: モエ・エ・シャンドンの歴史そのものがユニークな変革の歴史です。昔のやり方に固執したものは伝統ではなく、死んだ歴史でありフォークロアの世界。もちろん急激な変化ばかりが良いことだとは思いません。ただ、人々が求めるものは時代とともに変わっていく。だから必然と言えるでしょう。
岩瀬: それはあなた自身の姿勢、そしてグラン ヴィンテージの世界観と一致しているようですね。
BG: はい。Everything is change。自分も変わっていかなければいけないと考えています。オーセンティックなものは持ちながら、現代と向き合っていく。常に変化に対応していくこと。その積み重ねが、新しい伝統になるのです。

シャンパーニュで生まれなかったこと それが私にオープンな感性をもたらしました。

岩瀬: それはあなた自身のプロフィールが背景にあるのでしょうか?
BG: はい。シャンパーニュで生まれなかったこと。それが私にオープンな感性をもたらしました。家はもともとワイン造りとは関係ない仕事ですし、そのあとも私のワイン造りのキャリアは海外から始まっています。カリフォルニア、オーストラリアでワイン造りをしてきました。その中で世界のいろいろな文化や考え方に出会い、それが私のオープンマインド、移動性のある考え方になっているのだと思います。ひとつのものはいろいろな角度から見ることができるということを学びました。
岩瀬: 和食とシャンパーニュという組み合わせも違和感はないのですね。
BG: もちろんです。今回の滞在もとても興奮しています。

Daiji Iwase

シュワリスタ・ラウンジ編集長であり、様々なジャンルを手掛け、結びつけるライター / ディレクター。ネットライヴ番組実況、イベントMCとしても活動中。

ブルターニュの朝、そしてカリブの孤島リゾート。そんなシーンが浮かびます

岩瀬: では、これはあまり受けないかもしれない質問かと思いますが、シュワリスタ・ラウンジらしい質問をひとつ。
BG: どうぞ(微笑)
岩瀬: グラン ヴィンテージ 2000、グラン ヴィンテージ 2003それぞれの個性を思い浮かぶシーン、そして、女性に例えてみていただけますか?
BG: 確かにあまり聞かれたことはないですね(笑)。でも面白い。グラン ヴィンテージ 2000はブルターニュの朝の海岸、またはタイで色とりどりのトロピカルフルーツやスイートベジタブルに囲まれたシーン。グラン ヴィンテージ 2003はカリブの孤島リゾート。そんなシーンが浮かびます。女優のイメージで言うとグラン ヴィンテージ 2000はちょっと体制に対して反発心のある、でもクラス感のある活発な女性。グラン ヴィンテージ 2003は芯が強くて、でもやわらかい包容力があって、そしてどこかスパイシー。そうですね、モニカ・ベルッチなんてどうでしょう(笑)。
岩瀬: やはりグラン ヴィンテージ 2000、グラン ヴィンテージ 2003は随分違う個性なんですね。

ただ、差別化したものを求めているわけではない。日本の方々にこそグラン ヴィンテージはふさわしい。

岩瀬: さて、日本のシャンパーニュ好きは、大手メゾンに代表されるNM(ネゴシアン・マニピュラン)と造り手の個性やその年の個性が色濃く出るRM(レコルタン・マニピュラン)、そのどちらにも興味を持っています。このグラン ヴィンテージというのはその両方を持っているようです。
BG: (微笑)日本の方々は独自性があり常に新しいものを求めていながら、知的にしっかりと良いシャンパーニュに向き合っていらっしゃる。ただ、差別化したものを単純に求めているわけではない。ワインは一方では快楽で、一方では複雑で精神性の高いもの。これを理解していらっしゃる日本の方々にこそグラン ヴィンテージはふさわしいと思います。
岩瀬: 最後に、モエ・エ・シャンドンからこれだけ個性あふれるシャンパーニュを送り出すことに怖さはありませんか?
BG: 怖くはありません。成功するという確信がなければGOは出しません。自分もチャレンジするし、チームのメンバーにもチャレンジを求めます。確かに新しいものを送り出すことはリスクはあります。しかし幸運にも私たちのチームは260年にわたって積み重ねられた知識がありますから。
岩瀬: これこそ革新と伝統の融合。モエ・エ・シャンドンだからこそグラン ヴィンテージが生まれたんだなと改めて実感しました。ありがとうございました。

Next 「シュワリスタ・ラウンジ会員だけの幸運と興奮のテイスティング・セミナー開催」

SPECIAL INTERVIEW

ブノワ・ゴエズ 日本で伝えたいこと

TASTING SEMINAR

シュワリスタ・ラウンジ 会員だけの特別な時間

JAPAN PREMIERE

ジャパン・プレミア @日本料理 龍吟

VOTE

自宅のシャンパーニュは何本ぐらいある?