Home > 特集 > 「秋の『泡×お気に入り』 私だけの世界で浸る、幸せな時間」
CHAMPAGNE × My FAVORITE シュワリスタ的マリアージュ術 秋の「泡×お気に入り」 私だけの世界で浸る、幸せな時間
<< 前のページ | 1 | 2 | 次のページ >>

CHAMPAGNE × ART

KRUG Grande Cuvee クリュッグ グラン・キュヴェ × GUY LIMONE ギィ・リモーネ

シャンパーニュとアートの共通点は? 中川直樹 EXECUTIVE PRODUCER

ギィ・リモーネの作品の手法の1つに既存イメージ(広告、包み紙、プリント)を、色をテーマに収集し10cm四方の枠の中に挟んで縦横に羅列し、新たなイメージを再構築しているものがあります。

とても興味深いのは、アンディ・ウォーホルのキャンベル・スープ缶、コカ・コーラの瓶などがモチーフに使われたシルクスクリーン作品に見られた同じイメージをリピートする手法との関係性。

ウォーホルがスーパーマーケットの棚にカラフルな工業製品が大量陳列されたその様からインスパイアされたのに対し、ギィ・リモーネは、人とのコミュニケーション手法で一番スピーディに伝達できる「色」をテーマに様々な既存イメージ(資本主義、大衆文化のもつ大量消費の現実)を収集し一定の規模感を持って再構築させた点です。

アンディ・ウォーホルが、当時の資本主義、大衆文化の現実を描いていたのであれば、ギィ・リモーネは、資本主義、大衆文化を消化した混沌としている現実の中の可能性や気付きをテーゼしているかのようです。

色を1つのテーマとして、各々違う物資がリピートする事により集まった集合体は更なるパワーをもって違った何かを訴えかけてくれる。

シャンパーニュのメゾンを訪れると、カーヴには同じ瓶が何万と並んでいる。そして、そのシャンパーニュたちは、日々、変化をしている。同じ銘柄でも飲む度に別の顔を垣間見させてくれる。そして、それらの全ての体験を総括しながらその銘柄の総称的な神髄を知る。

アンディ・ウォーホル、ギィ・リモーネ、シャンパーニュ。ある種、共通な何かを感じずにはいられません。

Guy Limone

1958年、ソーヌビーユフランシェに生まれる。
1989年、マルセイユで初のグループ展、1993年、パリで初の個展を開催。マルセイユを拠点に創作活動を展開中

Information

9月9日(火)〜10月5日(日)まで代官山GALLERY MIN MINで展覧会が開催されます。
詳しくは、http://www.galleryminmin.com/ まで。

中川直樹

シャンパーニュとシガーと古いアルファロメオを愛してやまないシュワリスタ。
本職はアート・ディレクター。

CHAMPAGNE × ART

ERIC BERTHES エリック・ベルテス × BOLLINGER Grand Année 1999 ボランジェ グラン・ダネ 1999 × James Bond ジェームズ・ボンド

シャンパーニュのエレガントさをフォルムで楽しむ jun yonekawa Espace Bulle

シャンパーニュと映画の関係と言えばジェームズ・ボンドの007とBollingerがよく知られていますが、この秋は映画よりもこの度あらたに007 映画の新作の公開に合わせ限定発売されるGrand Année 1999のコフル(パッケージ)のデザインに注目!

世界で200本+『007』本だけの限定販売とのこと。

このコフルをデザインしたERIC BERTHESのデザインはシャンパーニュマニアのあなたなら、あちらこちらで見かけているはず。

例えばサロンの円錐形を逆さにした一本足のソー(シャンパーニュクーラー)。ボランジェの楕円を三次元に切り取ったソーやランソンのスタンドバー。マムやドンルイナールの美しい曲線が機能性も解決しているソーもデザインしています。またボランジェのCuvée 2003のパッケージも鮮烈なイメージでシャンパーニュが持つ性質を物語としてメッセージに変えました。

シャンパーニュが持つエレガントさを、得意とする材質=鏡面仕上げの錫を使って美しいフォルムに変えています。秋の夜長には、熟成の進んだシャンパーニュを美しいフォルムをなぞりながら楽しみましょうね…

jun yonekawa

パリ、東京、NY、ジェットセッター系シュワリスタ。本職はパリ在住の建築家 / インテリアデザイナー。

CHAMPAGNE × BOOKS

PERRIER JOUET Bell Epoque ペリエ・ジュエ ベル・エポック × Blood type XX 血液型別 自分の説明書

シャンパーニュと本で2人の時間を演出 前田行紀 ARCHIVE EDITOR

説明の必要が無いほど今ベストセラーになっている『血液型別 自分の説明書』(Jamais Jamais / 文芸社)。

シャンパーニュをいただくシーンでの使いどころは、意中の人と一緒に飲む時。例えば2人の特別な時間をエレガントに演出してくれる。

エミール・ガレがデザインしたエッチングボトル Bell Epoqueをさりげなくオーダーして「こんな本買ってみた」とさりげなく出してみましょう。相手の血液型を買うのもよし、自分の血液型を買うもよし。二人で読み進めていくと、あ〜ら不思議見終わった頃にはなんとなく相手のことをわかったつもりになっている自分がいる。あとはもう言うことはありませんね! そうシャンパーニュの力を借りて…。

前田行紀

シュワリスタ・ラウンジではシャンパーニュ・アーカイヴのデータ作成を担当。
豊富な知識と旺盛な探究心で、「シャンパーニュの求道者」の異名を持つディープシュワリスタ。

CHAMPAGNE × BOOKS

BEAUMONT DES CRAYERS Fleur Blanche Blanc de Blancs Brut Millesime 1999 ボーモン・デ・クレイエール
フルール・ブランシュ・ブラン・ド・ブラン・ブリュット・ミレジム 1999 × LEMON(SUMMER TWILIGHT) 檸檬

夏の夕暮れ、カーンと冷えた檸檬のように! 藤原光昭 WEB PRODUCER

小説のタイトルが、食べ物や酒の名前になっていると、視覚よりは嗅覚が、脳よりは胃が、まず先だって刺激されるけれど、梶井基次郎の『檸檬(れもん)』については、無味無臭の涼しい感覚がほのかに漂うばかりで、やみくもに自分を縛りつけることがない。

日曜日の夕方、言いようのない焦燥と不安に駆られると、小説にならって、キーンと冷えた黄色い檸檬爆弾をどこかに仕掛けてやろうか、と少しくすぐったい気持ちになることもある。

けれど、やはりどこを見ても朦朧と揺れる暑熱のアスファルト・ジャングルで、結局、首をうなだれるしかない。

そんなときは、奥歯も染みるほどよく冷やしたブラン・ド・ブランで、かろうじて自身を保つようにしている。檸檬のようにキーンと心が冴えてくるのをじっと待つようにしている。部屋の埃にまみれた雑多な色彩の中で、私は、檸檬爆弾になろうとしている。

藤原光昭

シュワリスタ・ラウンジの発展に日々奮闘中の新米プロデューサー。
忙しさのあまり、シャンパーニュを味わって飲む機会になかなか恵まれないが、おそらく日本一シャンパーニュに詳しい25歳。

特集『秋の「泡×お気に入り」私だけの世界で浸る、幸せな時間』トップページ
<< 前のページ | 1 | 2 | 次のページ >>

VOTE

自宅のシャンパーニュは何本ぐらいある?