Home > 特集 > 「invitation from MUMM/晩夏と初秋にマムの新作」

part1

G.H.MUMM Mill?sim? 2004 2004年という幸せな収穫を描写すること

よりマチュアでリッチ
表現と力強さに溢れたミレジメ

04という年の特徴を教えてください。
また02と比較してどのような年でしたか?
「02よりも04の方がよりマチュア(成熟・円熟感)、そしてリッチな年でした。酸味と糖分のバランスいい。収穫高が高く、各ブドウ畑で質のいいブドウがたくさん取れました。
ミレジメはどの年にリリースしなければならないというルールはありません。セラーマスターの判断で行うわけですけれど、我々がリリースする場合の目的は2つ。ひとつはメゾンのスタイルを受け継ぐこと。マムであればそれはピノ・ノワールの表現。そして、その年の収穫を描写するようなものであること。それが出来なければリリースはしません。
04で表現するもの、描写すべきものはやはりマチュアさとリッチさ。02年よりも表現すべきものがあり、より力強さとボリュームがある。02は控えめな良さがありましたので。比較すると圧倒的なパワーを感じるでしょう」

複雑で雄々しい男性的な魅力
アペリティフからメインディッシュまで

それではミレジメのテイスティングを
「良く熟れた果物を感じます。果汁の中に糖度が感じられるフルーツ。コンポートにした果物の複雑さ。ドライフルーツにしたアプリコット、キャラメルやヌガーの様なノートもあります。キーワードとしてはコンプレックス(複雑さ)、力強さ、雄々しさ。男性的な力強さを感じさせるシャンパーニュです。
フレッシュさとテンションがあって同時にボリュームも感じていただけると思います。良いバランスです。豊かなアロマとストラクチャーの緊張感があります。
アペリティフの後、メインディッシュでも楽しんでいただけるでしょう。あまりディープに調理、濃いソースと合わせた赤い肉よりも、ビーフのカルパッチョや白い肉があいます。
また、シーンとしてはお友達がテラスに集まってのアペリティフ。料理は、メッツア。中東レバノンのスタイルで、生野菜や肉や豆など、ブッフェのように一度にテーブルにたくさんのお皿が並びます。出してしまえばキッチンにいなくてよいので、みんなで心置きなく楽しめるんです。たくさんの味のコンプレックスと04ミレジメのコンプレックスが素敵な世界を創るでしょう。
ブラン・ド・ブランが暑い夏でも楽しんでいただけるとすれば、ミレジメ04は、これからの秋にふさわしいシャンパーニュかと思います」

ふくよかさという美しさ
04という風景まで楽しむ豊かさ

さて、シュワリスタ・ラウンジ恒例の…女性に例えたら、という質問です。昨年、ロゼを郷里のコルシカの女性と例えられていました(笑)。ミレジメ04はいかがですか?
「私は詩人ではないので本当はお答えするのが難しいんですよ(笑)。そうですね、ミレジメ04は、お洒落なスクーターに乗っている、ふっくらしたぽっちゃりした女性。ボリューム感があってなおかつチャーミング。マンガのキャラクターで言うと…ベティブーでしょうか(微笑)。
ブラン・ド・ブランは逆にスレンダーで足が長くて、バストも強調されていない雰囲気ですね」
それでは最後に、ミレジメ04を生み出すうえで苦しんだこととハッピーだったことを教えてください。
「苦しんだことは、最初の段階。04年はブドウの収穫量が多かったので、これをいかに素早くカットしてタンクに収めるか。とても短い時間の作業になりましたのでこれは苦しみました。しかし、その苦労の後、初めてテイスティングした瞬間…この瞬間が最高の幸せでした。偉大なるミレジメになるポテンシャルを感じましたから。ミレジメ04、ぜひ楽しんでください」

心優しきパワーハウス G.H.MUMM Mill?sim? 2004 マム ミレジメ2004

6年の熟成を経てリリース。マムの魂ともいうべきピノ・ノワール70%にシャルドネ30%。6g/Lのロー・ドサージュ。最初のノートは静かで密やか。アプリコットを始め甘く爽やかなアロマ。しかしすぐにブリオッシュやヌガーなどのアロマが胃袋まで刺激。同時に爽やかだったアプリコットはコンポートからドライまで深く熟成した甘美に。ピノ・ノワールの力強さが一気に開幕すると、圧倒的なパワーが迫まる。あっさりしたアペリティフよりも滋味豊かな食材を並べて楽しみたい。男性的な力強さではあるが、スペクタクルでアグレッシブではなく、どこか優しい微笑みを感じる。マッチョでもスパルタンでもなく、少し緩やかな着こなしのスーツ姿。

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