Home > 特集 > 「シュワリスタ・アワード2012 2012年のシーンを飾った珠玉のシャンパーニュたち」
私が愛した2012年的シャンパーニュ

葉山考太郎

グラン・シエクル レ・レゼルヴ
創業200周年記念の特別版。去年11月、ローラン・ペリエ社の当主、アレクサンドラ女史列席の昼食会でこれを飲み、過去5年で最高の泡と確信。価格はマグナムで25万円! 熟成感が物凄いのに若々しい。20代の岩下志麻みたい。「なぜ、こんなに若いのか?」と女史に聞くと「それが当社のスタイルよ」とのこと。超級美女に「何をしたら、そんなにキレいになるの?」と聞き、「何もしてないわ」みたいな「美女の影の努力」を感じた。

中川直樹

タナザック ランスタン ブリュット
きっかけは、お洒落なエチケットのジャケ買い。一昨年、京都のバーで飲んだのがきっかけだったのですが、古都の風情とエチケットがマッチングしていてその容姿にすぐに惚れました。風情あふれる地域のしっぽりしたバーで静かに飲みたいシャンパーニュです。メゾンとしてはかなり若く、2004年スタートしたばかりのモンターニュ・ド・ランス北部マイィの大型新人と呼ばれてるようです。現在は「ジャニソン・エ・フィス」に間借りでシャンパーニュを醸造してるとのことですが、2013年を目途にマイィ村に自身の醸造所を完成させる予定とのこと。ラベルデザインは、奥様のドロテさんがデザイン。ピノ・ノワール75%、シャルドネ25%、ドザージュは9g/l 年間生産量は5000本。
ペリエ ジュエ ベル エポック フローラル エディション
日本を代表するフラワーアーティスト東さんのデザイン!2012年リリースされたシャンパーニュの中で、もっともエレガントでスペシャルなシャンパーニュだったと思います。エミール・ガレのアネモネのデザインをほどこしたボトルで有名なベル エポックですが、今回のスペシャルエディションは、日本を代表するフラワーアーティスト東信(あずま まこと)さんが手がけられています。なんとも、日本人としての誇りと喜びを感じる1本ではありませんか!
ゾエミ・ド・スーザ ブリュット デジラブル グラン・クリュ ブラン・ド・ブラン
育ちのよい、清楚なお嬢様、パリへ行く!2012年夏、ギラギラしたシュワリスタの男陣のハートを射止めたアヴィズのお嬢様というべきシャンパーニュ。分かりやすいアタックのあるシャンパーニュではありません。豊かな自然広がる地で、ピアノや油絵など芸術のたしなみがありながら、丁寧に育て上げられた姉妹(シャンパーニュ)たち。大学に通う歳になりパリなど都会で得たモダン・センスも内に秘めています…的なことを感じさせる、おしとやかながらも魅惑なシャンパーニュです。

藤田礼子

ローラン・ペリエ ブリュット L-P
2012年、私が最も多く口にしたのは『ローラン・ペリエ ブリュットL-P』。あらゆるタイプのシャンパーニュを飲み尽くし、再び大手メゾンのノン・ヴィンテージ(以下NV)の魅力に開眼しました。メゾンのスタイルを端的に表現することが求められるNV。その使命は、毎年同じ味わいを安定した品質で供給することにあります。厳しい気候条件下における優れた葡萄の確保と選定、豊富なリザーブワイン、シェフ・ド・カーヴによる芸術的アッサンブラージュ…。 シャンパーニュを知れば知るほど、その使命がどれほど困難を極めるものであるかを思い知らされるのです。ウィリアム王子とケイト妃のロイヤルウエディングの晩餐会でも振舞われた、英国王室御用達のお墨付き。フレッシュでエレガント、均整のとれた美しい味わい。
ジャック・セロス リューディ シリーズ
究極のテロワール表現者アンセルム・セロス氏の新しい挑戦、『リューディ』シリーズ。日本への入荷は僅か50本という噂が流れる中、『ル・ブー・デュ・クロ(アンボネイ)』、『ラ・コート・ファロン(アイ)』、『レ・キャレル(メニル・シュール・オジェ)』の3種類を、2011年のリリース直後と翌年の2度に渡って味わう幸運に恵まれました。柔らかでエレガントなアンボネイ、力強い骨格を持つアイ、酸とミネラルの調和が美しいレ・キャレル。喉を通り抜けた瞬間、懐かしの混声合唱曲”大地讃頌”(♪母なる大地の喜びに〜 我ら人の子の喜びはある〜)が頭の中を流れるような、強いメッセージ性を持ち合わせるのはセロスならでは。神聖な気持ちで向き合いたいシャンパーニュです。
ジョセフ・ペリエ ロゼ2002
とあるレストランのウェイティングバーで、食前酒にロゼのグラスを傾ける男性グループに遭遇。粋な選択を、こなれた雰囲気で楽しむその様子に、シャンパーニュ上級者であることを確信。きらきら輝くロゼ色のグラスが、ダーク系スーツの胸元を華やかに彩っている様子も素敵でした。アペリティフにぴったりのロゼといえば、創業185周年にあたる2010年にリリースされた、『ジョセフ・ペリエ』初のヴィンテージ・ロゼ。美しいサーモンピンク、摘みたて苺をそのままボトルに詰め込んだようなみずみずしい果実味と長い余韻。2012年にはノーベル賞授賞式晩餐会で供されたシャンパーニュ・メゾンとしても話題になりました。

前田行紀

ロベール・シャルルマーニュ ブリュット プリヴィレージュ ブラン・ド・ブラン グラン・クリュ
たまたま入荷したものを飲んでみて、そのクオリティの高さにびっくりした1品。調べると数年前からは入っているものの日本での流通量は1000本にも満たないらしい。特級村のオジェとメニルのシャルドネのみ半分ずつブレンドというブラン・ド・ブラン好きにはたまらない比率。しかも瓶内熟成期間が長いため、ブリオッシュのような熟成香も感じられます。RMの中では非常に優れた生産者の一人でしょう。
ド・スーザ・エ・フィス キュヴェ・デ・コダリー ブラン・ド・ブラン グラン・クリュ
ド・スーザの当主エリックさん、そしてゾエミ・ド・スーザの副醸造長である娘のシャルロットさんが来日されたときに試飲した一品。ド・スーザのクオリティの高さは認識していましたが、このキュヴェ・デ・コダリーは飲んだ瞬間衝撃が走ったシャンパーニュ。古木・完熟・ミネラル・樽がキーワード。他のキュヴェを圧倒して余りあるポテンシャルとバランスの良さは特筆すべき。

ナヲユキ

アンリ・ジロー エスプリ ブリュット ハーフ
「パッと一飲みのハーフ」
言わずと知れたアンリジロー。中でもエスプリハーフの熟成感がたまらない。仕事帰りにシャンパンバーで1本。自宅で風呂上りにシュっと抜栓。飲みきり飲み頃なシャンパーニュ。大変お世話になりました。
ピエール・パイヤール ブージィ グラン・クリュ ブリュット
鮨、ふぐ、天麩羅、和食系のお店にオンリストされてた率が高い気がする1本で、いろんなシーンでお世話になりました。
1本目は、さっぱり目のBBで、2本目は少し熟成感があるコチラとか、会食の合間にスッと挟まる1本です。もちろん1本目から飲むのも、また贅沢。
テタンジェ ブリュット レゼルヴァ マチュザレム
ウィ村のタルランが出したのがサガ。ミレジムなのですが、エチケットはなく、瓶に手書きでsagaと年号が書かれるだけの蔵出し数量限定品。76、88などは円熟していて、94、95などは成熟した味わい。蔵出しって、魅力的だな〜と感心させられたシリーズでした。

泡大将

ドラピエ シャンパーニュ“カルト・ドール”ブリュット 1996 マグナム
初秋のキャンプにて友人の誕生日を祝う為にセレクト。マグナムサイズは存在感があり、アウトドアの雰囲気にはもってこい。何よりもレギュラーボトルより熟成感が楽しめる。マリアージュは解禁されたばかりの獲れたて伊勢海老のグリルと共に。味わいはやはり上質な熟成感があり、長い余韻がとにかく素晴らしく印象的であった。骨格がはっきり感じられ、アウトドアで飲んでもきちんと味わいを楽しめるシャンパーニュであった。もちろんアウトドアでもシャンパーニュグラスです!
ピエール・パイヤール ブージィ グラン・クリュ ブリュット
パイヤールと言えばブルーノはよく知られていますが、元々は同じだったメゾンだそうです。口に入れた瞬間に明らかに個性があるが整った味わいが広がり、その後に迷いなくスーッと伸びる酸。NVなのにも拘らず非常にレベルの高さを感じました。機会があればヴィンテージなども飲んでみたいですね。まだまだ知らない素晴らしい泡に久々出会えた感動は良い余韻として未だに残っています。
テタンジェ ブリュット レゼルヴァ マチュザレム
友人が結婚祝いで頂いたものをご馳走になりました。レギュラーボトルとは比べ物にならない熟成感は大きいボトルならではの愉しみですね。夫婦の幸せとのマリアージュは最高でした。

宮崎賢

シャルトーニュ・タイエ キュヴェ レ・ゾリゾー (リューディーシリーズ)
シャンパーニュの良いRM生産者の中に増え始めた原点回帰!バイオ・ダイナミック農法をはじめとする健全な栽培が特徴。個人的にはビオにはこだわっていませんし、むしろ必要な時には最低限の薬は必要だと考えていますが、このメゾンに関してはビオが良い形で出ていると感じます。単一ヴィンテージ 単一品種 単一畑によるテロワール表現。こちらは2007年のピノ・ノワール100%。ジャック・セロス、ジャクソン、セドリック・ブシャール、ユリス・コランなどの注目の造り手ともに、弱点を補う意味で行われるこれまでのアッサンブラージュの世界とは違う新たな形を提示してくれるでしょう。
シャルル エドシック ブリュット レゼルヴ
クラシカルなシャンパーニュで、誰が飲んでも美味しいと感じられるシャンパーニュ!少し甘めで香ばしく、ミルキーで控え目な酸味。この言葉を聞いて皆様は何を連想されますか?そのまま飲んで良し、食事とも合わせやすく、デザートにもよく合う!あとは誰とどんな場面で!? 飲む前から楽しい想像をしてしまうシャンパーニュです。
ジャック・セロス ミレジメ2002
これまで何本、セロスの造り出すシャンパーニュを飲んだろう?独特の世界に触れ、そのたびに思う。期待に反して、酸化のニアンスが強すぎたり、硬すぎたり、酸味とのバランスが悪かったり…。しかし今回の2002年のミレジメは完璧なバランス!香り、味わい、酸味、余韻においても申し分ない。セロスの力強さ ふくよかさ 繊細さが完全に液体に溶け込んでいる。

山本一人

ピエール・ペテルス・キュヴェ・ドゥ・レゼルヴ(マグナム)
日本未入荷の頃に何度か訪問をしたことのある、ル・メニル・シュール・オジェ村のドメーヌ!日本への輸入が待ち遠しかったのが懐かしい!表記はないが、2006年のブドウのみで生産されている。
エリック・ロデズ・ブラン・ドゥ・ブラン
名門クリュッグでチーフ・エノロジストを務めていたエリック氏。畑に強い情熱を持ち、テロワールにあわせて改植をすすめたり、リュットレゾネ農法を採用。アッサンブラージュに樽を使用するこだわり!
アンリ・ビリオ・ブリュット・レゼルヴ
家族経営の小規模生産者。力強さと柔らかさを併せ持つアンボネイ村の「単一テロワール」を表現するシャンパーニュ!このブリュット・レゼルヴは熟成期間も長く、凝縮感があり、味わい深く仕上がっている!

15代目六兵衛

ド・カステラーヌ キュヴェ コモドール
フランスではよく知られ、日本では入手困難なメゾン。2012年ナポリで行った自身の結婚式で頂いた記念すべき1本。上品で細かい泡とシャルドネの淡くも深い芳香が特徴。
パイパー・エドシック ヴィンテージ2004
最もお気に入りのメゾン。なかでも、シャルル・ド・ゴール空港の免税店で限定販売されていたもの。パワーを秘めたシャンパーニュ。漆黒のボトルから溢れ出る黄金の輝きは、他の追従を許さない深い味わいと芳香を漂わせます。
ルイ・ロデレール ブリュット プルミエ
真のラグジュアリーシャンパーニュと呼べるメゾン。クリスタルはあまりにも有名ですが、ベースとなるこの1本は、ファッション業界の選ばれしブランドの会ででよく見かけます。エレガントでスノッブな味わいに虜になりました。
ドゥーツ ブリュット クラシック
おもてなしの席でちらほら見かけるシャンパーニュ。エレガントで風格のあるその容姿からも、その味わいからも納得させてくれる1本。パリの有名レストランのハウスシャンパーニュにも採用されていることから、すべての料理を格上げしてくれるでしょう。
G.H.マム コルドン・ルージュ
赤いリボンが特徴のバランスの取れたシャンパーニュ。クラシカルかつ生き生きとした印象はどんなシチュエーションでもテーブルを活気づけてくれることでしょう。昨今ぐんぐんとその頭角を現しつつある勢いのあるその姿は、駆け抜けるF1を思い起こさせます。

読者から

ピエール・ペテルス・キュヴェ・ドゥ・レゼルヴ(マグナム)
1987年生まれの彼女と結婚する友達の祝いで開けたんですが、色の美しさにグラスを開けるのがもったいなさすぎて困りました。もちろん味も素晴らしかったです。
エリック・ロデズ・ブラン・ドゥ・ブラン
今年のSECRETARY'S DAYの4月25日、この日を口実に元部下を誘い頂きました。このシャンパンだけで料理3品頂きました。料理によってその味わいがどんどん変わっていったのには驚きました。当然ですが。食材、ソース、時間の経過にともない、その華やかな変化は印象深いものです。しかしその変化は決して主体性のない“あやふや”なものではありませんでした。どのようなソースでも大きく包み込む芳醇さを持っている賜物でしょう。

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