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INTERVIEW

SHレポート
ポール・ロジェ 『キュヴェ・サー・ウィンストン・チャーチル』垂直テイスティング

5月22日(火)、グランド ハイアット東京にて、ジェロボーム株式会社主催による、『キュヴェ・サー・ウィンストン・チャーチル』(以下、CSWC)のプロフェッショナル向け垂直テイスティング・セミナーが開催されました。01_ph_01

CSWCは、1849年に設立され、格調高いシャンパーニュを造り続けるメゾンとして評価の高いポール・ロジェ社のプレスティージュ・キュヴェ。ポール・ロジェのシャンパーニュを愛していた元イギリス首相にして歴史の重要人物の1人、ウィンストン・チャーチルへのオマージュを捧げるために造られ、その味わいも「力強くフルボディでしっかり熟成」というチャーチルの好みに仕上げています。チャーチル没後10年の1975年が初ヴィンテージ。チャーチルが生前のころから植えられていたグラン・クリュのブドウ木から収穫したシャルドネとピノ・ノワールを使用し、最高の年のみ生産。21世紀の今にあって、トレンドを追うのではなく、20世紀のシャンパーニュの考え方を継承・復刻するという骨太な考え方が反映されています。

今回のセミナーでは、CSWCの、86、88、93、95、96という5種のヴィンテージを、若い順からテイスティング。それぞれの年によるキャラクターがしっかり感じられるとともに、CSWCが長年創りあげてきた世界観に納得するものとなりました。

以下、テイスティング・ノートです。

ヴィンテージ 1996

「高いレベルの糖度と酸味に恵まれ、長期熟成が可能なシャンパーニュに仕上がった」とのガイド。なるほど、やわらかいイースト、ブリオッシュ感、ボリュームたっぷりの香りは後々が楽しみなスケールを感じます。香りはピノ・ノワールのフルーティーさを強く感じますが、現状、味はシャルドネが支配的な雰囲気(実際の配合はピノ・ノワール中心らしい)。10年たってもまだ若くドライ感あり。アルコール度数は10~10.5度とやや高め。

ヴィンテージ 1995

アロマ、テイストは96とほぼ同じ。96よりも当然熟成は進んでいますが、まだまだフレッシュで、酸味がやや強く感じられます。その分96よりもむしろ元気で快活な印象。香りはストレートで良いパンチがありました。こちらも今後の熟成が楽しみですが、夏の軽やかなディナーなら、今こそ飲み頃かもしれません。

ヴィンテージ 1993

96と95が同じ世界とすれば、93はそのベースは変わらないものの、別世界に入った感じ。色もゴージャスさや重みを増し、舌にまとわりつくような滑らかさが印象的。しかし、後味はドシっと骨太でキレもある。抽象的ですが、とってもダンディな感じをさせるシャンパーニュ。「シャルドネがとても良かった年」とのことでなるほど後味のよさがこのあたりに出ているのかもしれません。男性だけの洒落た集まりで楽しんでいただけそう。

ヴィンテージ 1988

泡が美しく繊細! 88年にして、きめ細かく立ち上がっている様に感動。96から93のルーツというのがわかるベースの世界観。より熟成は進んでいるが酸もまだまだ充分で、ダンディな20代か、初老なのに若さ溢れる人物でしょうか…まだこれから熟成されても面白いと感じさせてくれます。ヴァニラ・ジェラートとコーヒーの香りが、やや甘めの印象を。若い男性がちょっと背伸びで、スタイリッシュなオヤジ世代の方が軽やかに…そんな場面にお似合いです。

ヴィンテージ 1986

ここにきていよいよ、一般的なオールド・ヴィンテージの印象。香りの印象は大きく変わり、エレガントさが強調されます。ブレンド/構成比は全てのヴィンテージで同じということで、やはり源流に遡っている感覚はありますが、それにしても共通しているのは、それでも酸が元気に出ていて、まだまだ若いということ。86でのこの若さは驚愕。熟年ご夫婦、カップルの記念日に、まだまだ元気でいよう! とのメッセージでぜひお飲みいただきたい。

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