シャンパーニュを楽しむWEBマガジン [シュワリスタ・ラウンジ]

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SHWA TALK

第三回 クリスマスとサンタクロースと息子と

by モトダタケアキ(通称:メガネ)

サンタクロースを信じていますか?

幼き頃、サンタクロースを信じていた。

深夜、皆が寝静まった頃、そっとサンタクロースが来ると信じて、

いつもよりも早く布団に入り、寝ようとしたが興奮してなかなか眠れなかった。

クリスマスの日、目覚めると枕元にオモチャがあった。

煙突のない長屋であったが、当時の私には、サンタクロースがどこから入ってきたかなんて、そんな野暮なことは、コレッポッチも考えなかった。

ただただ、サンタクロースを信じていた。

そして、プレゼントに心から喜んだ。

小学6年生の時、サンタクロースはいないと知った。

特にショックはなかった。

両親と一緒に自分の欲しいクリスマスプレゼントを、自分のために買いに行った。

当時のディスカウントショップ、今でいうところの「ドンキ」みたいなところへ。

中学生になりクリスマスプレゼントは現金に変わった。時代はバルブ。

それはそれで嬉しかった。

社会人になりホテルに就職した。

それからクリスマスは多忙な出勤日となった。

以来20年間、クリスマスをプライベートで過ごしたことがない。

(ちっ!目の前でイチャつきやがって・・・(心の声))

30代になり結婚し2006年11月に息子が生まれた。

そして、遠い昔にいないと思っていたサンタクロース、

そのサンタクロースに、私は突然なれた。

それは世界を救う空飛ぶヒーローになったような気分だった。

幼き息子の喜ぶ顔を期待して毎年12月のその時だけ、私は全力でサンタクロースになった。

何をサンタクロースから貰ったら喜ぶのだろうかと、普段なかなか一緒に過ごせない息子の寝顔を眺めながら、

直前まで悩んだ。私には白い髭もないし、トナカイもいない。

もちろん我が家はマンションなので煙突もない。

私が幼き頃に煙突の無い長屋で、今はこの世にいない私の両親も、きっと同じ気持ちだったのだろうと思うと、

有難さで少し涙が出た。

今年、息子は9歳になった。まだサンタクロースの存在を信じている。

しかし、最大の危機が私に訪れたのである。今年のサンタクロースへのお願いはなんと、

「猫」である。猫を飼いたいと。。。

しかし、残念なことに息子も妻もアレルギー持ちで毛の生えた動物はNGである。
小6の私がそうであったように、ついに息子も現実を知ってしまうのか!

そんな複雑な気持ちで、仕事を終えた深夜4時に自宅で飲むのは、

モエ・エ・シャンドン・グラン・ヴィンテージ2006

息子のバースデー・ヴィンテージである。

息子よ。
わんぱくでもいい、
たくましく、優しく、育ってくれ。
パパはあなたが世界で一番大好きです。

そんな2015年のひとり、もの思いに耽るクリスマス前夜である。

翌朝、結局、サンタさんは子供たちへのプレゼントは、自分で作っていて、
命は作り出せない!という結論で納得させたのである。

た、た、助かった。まだあと少し、夢をかなえてあげることが出来そうである。

つづく・・・

 

シャンパンと餃子の人
モトダタケアキ

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