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Home sweet Home 華麗なる泡が生まれる場所 故郷はシャンパーニュ 今回はちょっとお勉強、の巻
Chaptr 1 シャンパーニュ地方について
Chaptr 2 なぜ聖地となったのか?
Chaptr 3 村を知ればシャンパーニュも分かる!
Chapter 2 なぜ聖地となったのか?
シャンパーニュという土地が生んだマジック

シャンパーニュ地方はワイン造りに適した土地としては北限に位置します。冬は厳しく、平均気温も低い。日照も少ない地域です。したがって、南仏やイタリア南部あたりのはじけるような瑞々しいぶどうではなく、ゆっくりと樹の上で熟成が進み、高い酸を持った完熟したぶどうが収穫できます。一方でなだらかな丘陵は、冷涼でありながらもよく日が当たり、完熟をサポートします。

さらに、シャンパーニュ地域の特徴をあげるとすれば、土壌。シャンパーニュ地域は一部を除いて、ほぼ全域が、パリ近郊がまだ海だったころの名残を残す純粋な白亜質であること。ワイン好きの方ならブルゴーニュやアルザスが、畑の区画が違えば格付けが変るほど、多様な地質が入り組んで個性を発揮していることをご存知でしょう。そのためブルゴーニュの格付け(AOC)はわずか小道一本はさんだ畑でも違うAOCが冠されるほど。しかし、シャンパーニュはそれほど複雑ではありません。ほぼ全ての地域で充分かつ素晴らしいミネラルを得られるのです。

完熟したぶどう、充分なミネラル。だから、発泡ワインになったときに、この高い酸、完熟した芳香が一気に花開く。これが、他の地域にはないシャンパーニュという地域の優位点といえます。

魔法のブレンド技術はシャンパーニュだからこそ生まれた

こちらのボランジェ社のスペシャル・キュヴェも。3つのぶどう品種を使うだけではなく、ピノ・ノワールをさまざまな畑から収穫しブレンド。長い熟成期間とあわせて、奥深い素晴らしい複雑味を生む。

さて、前段で「土壌で大きな違いがない」と紹介しました。単純にブルゴーニュなどと比較して、それではあまり複雑さもなく、面白くないのでは? と思われる方もいらっしゃるかもしれません。ところがこれこそが、もうひとつのシャンパーニュという土地の魅力なのです。なにが魅力なのか。それが、大きな違いがない中で、土壌の微細な変化を利用した世界最高峰の「ブレンド技術」なのです。

ここでいうブレンドは、いわゆる「アッサンブラージュ」のことではありません。シャルドネXX%、ピノ・ノワールXX%、ピノ・ムニエXX%、合計100%という、ぶどう品種を組み合わせたものではなく、同じシャルドネのXX%をアヴィズ村から、XX%をオジェ村から。ピノ・ノワールのXX%をブジー村から、XX%をマイイ・シャンパーニュ村から。そのように収穫し、メゾン独自の考え方でブレンドすること。それが他の地域にないシャンパーニュの面白さなのです。例えば、あるメゾンのシャンパーニュは、アイ村とブジー村のふくよかで力強いピノ・ノワールとヴェルズネイの凛としたミネラリーなピノ・ノワールが融合されていというような、微細で微妙、しかしそこからくっきりと鮮やかにメゾンのキャラクターが浮かび上がってくる面白さがあるわけです。

これが、シャンパーニュという地域そのものを味わう、というシャンパーニュの楽しさともいえます。土地の持ち味が近いからこそ、ブレンドで多彩なキャラクターを生み出せる。「北限でよいぶどうが取れないからブレンド技術が発達した」、そんな説もありますが、むしろ、素晴らしい世界をクリエイトするためにブレンド技術が発達した、と考えたほうが良いでしょう。同じパレット、同じキャンバス、同じ筆を使い、課題は一緒。それでも絵の具の微妙な混ぜ具合や筆の運び、そして頭に描いた世界観で、描かれた絵が違ってくる。そんなアートを思わせるのが、グラン・メゾンのシャンパーニュといえるのではないでしょうか。

Chapter 3「村を知ればシャンパーニュも分かる!」

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