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TALK about ‘AY’ 華やぐ街の裏側で 今宵、アイを語る 至高のピノ・ノワールに酔う、浸る、語る
1 アイを伝える男 2 アイを語る3本 -前編- 3 アイを語る3本 -後編-
2 アイを語る3本 -前編-
最初のアイ GATINOIS Grand Cru Brut ガティノワ グラン・クリュ・ブリュット
力強さの裏にある優しさ。
泡代償 : 最近飲んだアイ村の泡で、一番印象的だったのは、このガティノワ。セパージュは、ピノ・ノワール90%。自社畑のぶどうを100%使っているので、アイ村らしさを味わう上では最も適した泡の1本じゃないかな。
編集長 : 時には立ち飲みしたいぐらい、男らしい泡だなって。名前の響きどおりガチっとしているんだけど、でも余韻がとても優しい。そこでスッと腰を下ろしてゆっくり楽しむ。頑固な職人と話していたら最後にふっと笑ってくれるような泡。
泡代償 : これで口説かれる女って…
編集長 : ちゃんと労働している人だと思う(笑)。ただ女性と飲むより、1人で静かに、きつかった仕事が終わった夜にやりたいかなあ。
T.S.嬢 : ふーん。
アイに僅か7.2ヘクタールの畑を所有するレコルタン・マニピュラン。全ての畑がアイ村の中でも極めて最高の丘に位置しています。ガティノワのぶどうの一部をボランジェが買い付けていることでも、その質の高さは伺えるでしょう。
編集長 : ふーん、って。
T.S.嬢 : これが男らしいのか、強いのかって、あまり飲みなれていないからわからないんです。
泡代償 : でもガティノワで強さを感じないとすれば、相当、お酒は強そうだよね(笑)
編集長 : 考えてみれば、もし最初に出会ったシャンパーニュがガティノワだったりしたら…ハードな出会いだよね。初デートにはおススメしないけど、これを好きって言ってくれる女性とはじっくり飲めそう。
1829年、ジャック・ボランジェはアイ村にヴィーレルモン伯爵とともにボランジェを創立。現在も創立者一族が経営に携わり、昔ながらの伝統を守りながらシャンパーニュ作りを続けています。
2番目のアイ BOLLINGER Special Cuvee ボランジェ スペシャル・キュヴェ
スリル、アクション & ラヴ。
泡代償 : それじゃ次は女性とのシーンを意識して…だとすればやっぱりボランジェだな。
T.S.嬢 : あ、最初のものとは違いますね! でも、どこが違うのか言葉が見つからないんですけど…。
泡代償 : こうやって比べるとわかってくるでしょ。このシャンパーニュ・メゾンは007が映画の中でも愛飲しているんだ。とってもベタだけど、でも、家で007のDVDを見ながら飲むと、本当にハマるんだよね。ボンドがコレで口説くのを真似したりして(笑)
編集長 : 映画とのマリアージュ(笑)。アヤラのゼロ・ドサージュと『ブレードランナー』、ゴッセと『ゴッドファーザー』。やりすぎだし、持ってくる映画が古いや。
T.S.嬢 : ふーん。
編集長 : 今のふーんは理解できるよ。
泡代償 : このボランジェのスペシャル・キュヴェは、本当に果実実がしっかりして、男らしさの中にちゃんと上品さがある。007の登場人物である女上司のMと、ボランジェを支えたマダム・ボランジェのイメージが被るんだよね。
編集長 : ボランジェ一族が真面目に守ってきた積み重ねがここにあるかと思うと…そういうドラマにもアイ村好きの人間って弱いんだ。結局これも女性を口説く前に、自分の世界に浸ってしまう泡だなあ(苦笑)。実は年間で、自分が最も多く飲むシャンパーニュのひとつ。どこで飲んでも自分に還れる気がする。どうも性にあっているみたい。
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