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シュワリスタ・ラウンジを支える「TCS関係者」がありのままに綴る、ここだけのウラ話や、日々のシャンパーニュの楽しみ方

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シャンパン・エヴァンジェリスト
藤田礼子

M&C醸造最高責任者ブノワ・ゴエズ氏と共に(2)

11.10.29 up



2006年に起こった空前のシャンパーニュ・ブームから5年。その間、RM、古酒、自然派、ノンドゼ等、いくつもの新しいムーブメントが起こりました。シャンパーニュの様々な個性を体験することで、その深淵なる世界に魅せられた方も少なくないでしょう。中には、「テイスティングの技術を磨くにとどまらず、醸造や熟成についてもっと知りたい」という思いを抱き始めた愛好家も多いのではないでしょうか。

シャンパーニュを深く追求したいなら、やはり醸造最高責任者との直接対話が一番。メゾンごとに醸造最高責任者の個性も異なりますが、ブノワ・ゴエズさんのお話しは、とにかく論理的でわかりやすい。毎回お会いするたびに新しい知識を吸収させて頂いています。

今回の特別交流ディナーに参加された方々にも、そんな喜びを体験して頂きたくて、事前に質問を考えてきてくださいとお願いしました。ヴィンテージ・シャンパーニュに興味をお持ちの方々が多く集まってくださったせいか、皆さん相当に勉強されていてハイレベルな質問が飛び交い驚きました。日本のシャンパーニュ愛好家の知識レベルは、ここ数年で格段にUPしていることを実感。残念ながら抽選にもれてしまった方にも役立つ情報だと思うので、当日のQ&Aの内容を少しご紹介させて頂きます。



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Q: 「シャンパーニュを飲むと、なぜ幸せな気持ちになるのでしょうか?」

ブノワ:『シャンパーニュ』という言葉自体が人々の求める価値を持っていますね。より良い生活、フィネス、エレガンス、クラシック・・・。それに加えて、繊細な泡の心地良い刺激が”sense of massage”、つまり味蕾(みらい)に対する最高のマッサージになっているからだと思います。

Q:「醸造チームには何名いますか?味わいの全てはチームで決定されるのですか?」

ブノワ: モエ・エ・シャンドンの醸造チームは、10名で構成されていますが、シャンパーニュの味わいを決定するアッサンブラージュ(調合)は私一人の手で行います。アッサンブラージュには理論では語り尽くすことのできない、エモーションやセンスが問われるからです。

Q:「澱に触れている間と、澱抜き後、熟成にはどちらが重要なのでしょうか?」

ブノワ: シャンパーニュの熟成には、瓶内で澱に触れた状態で行われる瓶内熟成と、デゴルジュマン(澱抜き)後の二段階があります。シャンパーニュは、澱に触れて熟成させることによって複雑味が生まれます。これを我々は<マチュレーション>と呼んでいます。澱抜き後は酸化が進んでしまうだけ。我々は『死への行進のはじまり』と呼んでいます。シャンパーニュの熟成は、できるだけ澱にふれた状態で行われることが望ましいです。

Q:「自宅に2000年のグラン ヴィンテージがありますが、飲み頃はいつでしょうか?」

ブノワ: 2000年はとても良いヴィンテージですが、モエ・エ・シャンドンとしてはデゴルジュマンから5〜10年以内を推奨しています。お持ちの2002のデゴルジュマンは05〜06年にかけて行われていますので、あと5年は美味しくお召し上がり頂けます。

Q: 「2009年は大変良いヴィンテージだったと聞いていますが、シャンパーニュとブルゴーニュを比べるとどうですか?」

ブノワ: フランスの他の地域で良いとされるヴィンテージ・イヤーをシャンパーニュに当てはめて考える人が多いのですが、これは間違いです。「どこのリージョンのワインを飲んでいるか」を意識してください。2009年は、シャンパーニュ、ブルゴーニュ、ボルドーのすべてが奇跡的に良い年ではありましたが、シャンパーニュとブルゴーニュでは、気候も品種も醸造方法も違います。ボルドーとはさらに異なります。

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参加者から次々とよせられる質問のひとつひとつに、真摯にそして情熱的に答えてくださったブノワさん。本当に感激しました。きっと皆さんも、グラン ヴィンテージ、そしてシャンパーニュを、もっともっと好きになってくださったことでしょう。

このような素晴らしい機会を与えてくださったMHDモエ ヘネシー ディアジオ株式会社の皆さまにも、心から感謝申し上げます。どうもありがとうございました☆

藤田礼子

シャンパーニュ騎士団シュヴァリエとして、ファッション誌や企業イベント等でも活躍中のシュワリスタ。本業は、広告制作会社取締役/エグゼクティブ・プロデューサー。

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