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シュヴァリエ叙任記念 公式訪問レポート シャンパーニュの騎士として 語り伝えたい秘められた情熱と美学 Pride of Champagne

7代目当主スタニスラス・アンリオと同世代である若きシェフ・ド・カーヴ(醸造責任者)と共にアンリオのシャンパーニュを試飲しながら魅力を伺いました。まずは最初にロゼ・シャンパーニュからテイスティングすることに。

1991年より醸造学を学び、栽培、醸造の経験を積んだ後、国外でワイン造りに携わる。1994年よりテロワールでシャンパーニュ造りに専念。白ワインの醸造とアッサンブラージュの知識を見込まれ、2006年、アンリオの醸造責任者に就任。

HENRIOT探訪02 醸造責任者Laurent Fresnet氏インタビュー

アンリオスタイル 試飲の順番にもこだわりを

まずはロゼから試飲させていただきましょう。

LF: まずロゼ・シャンパーニュですが、これはただのファッショナブルなシャンパーニュではなく高級ワインです。フルーティーな香りでとても軽やかでシンプルな味わいを持っています。ロゼ・シャンパーニュというとファッショナブルな感覚があります。ロゼは全体の生産量の10%ほどしかありませんが、私たちは今のようにロゼがファッション化される以前から作り続けていますし、同じ品質を保っています。

色々なシャンパーニュメゾンで試飲をしたのですが、大抵NVのシャンパーニュから試飲をしました。試飲の順序には何か意味があるのですか?

LF: 私たちはアッサンブラージュの分量によって試飲の順番を決めています。まずはピノ・ノワールの配合比率が最も多いものから始まり、半分ずつ、そして最後はシャルドネ100%で締める、私たちはこれが最も合理的だと考えています。

シャルドネ100%のシャンパーニュをブラン・ド・ブランと表記されていることが多いのですが、アンリオでは「PUR Chardonnay」と表記しています。日本ではブラン・ド・ブランが一般的なのですがこれはなぜでしょうか?

LF: 私たちは昔からこの表記をつかっています。「Blanc de Blancs」とは分かりにくくないですか? 私たちはシャルドネ100%で作っていますよという意味で「PUR Chardonnay」という表記を使っています。日本ではブラン・ド・ブランという言い方が浸透しているのですね。

妥協を許さない品質へのこだわり それが揺るぎないアンリオの魅力

アンリオといえば長期熟成のヴィンテージですが、これらは毎年作られていますか、また出荷するタイミングはどのように決定していますか?

LF: 私たちはヴィンテージシャンパーニュにおいては十分な時間をかけます。今回試飲いただいている1998、1996年は8〜10年の熟成を経ています。

ヴィンテージシャンパーニュは過去多くの年がありますので、毎年テイスティングをしながら熟成時間を決定します。もちろんヴィンテージごとに特長があり、熟成時間も異なってくるので全てのヴィンテージシャンパーニュを同一に扱うことは意味の無いことです。

今回の試飲している1996年などは複雑な味わいを持ちながら、10年以上経っているのにフレッシュな後味です。それと違って1998年のヴィンテージはミルクやカラメルの香りがします。私は過去に1928年のアンリオのシャンパーニュを試飲しました、これは非常に上質な白ワインでありながら少しの気泡がまだ残っていました。このように長期熟成させるとワインとシャンパーニュの差はほとんどなくなります。

アンリオのシャンパーニュを飲む時に理想の飲み方はありますか?

LF: 私達のシャンパーニュはシャルドネの比率が多い、シャルドネの比率が多いということは日本食にも非常にマッチしますし、チーズとあわせるのもいいでしょう。フランス料理では基本的に前菜と相性が良いと思います。

理想の飲み方ですが、これはメゾンの考えにもよりますが、購入されたシャンパーニュは5年以上保存しない。私たちは飲み頃にシャンパーニュを販売するのでその時期に飲むことをおすすめします。しかしそのうえでシャンパーニュを保存したい時はワインセラー等の保存環境が大事です。

もし長期保存したいのであればシャルドネが多いシャンパーニュがおすすめです。ピノ系のシャンパーニュはシャルドネに比べ早く味が変化してしまいます。そのような意味ではアンリオは理想的かもしれませんね。

HENRIOTというシャンパーニュを世に送り出すということは自分の名を冠したラベル一枚一枚にサインをして出しているようなものなのです。だからこそ品質にはこだわりを持っているのです。

今回アンリオのシャンパーニュの試飲を通して1つのアンリオスタイルを感じることが出来ました。それぞれのキュヴェの個性を出しつつも、芯に1本のシャルドネ由来のシャープなエッジを感じました。メゾンも決して派手ではありませんが、シャンパーニュの品質に関することには手間を惜しまない印象を受けました。

Line Up

Brut Souverain ブリュット スーヴェラン

Rosé Brut ロゼ ブリュット

Cuvée des Enchanteleurs 95 キュベ アンシャンテルール 95

シャルドネ40%でピノ・ノワールが主体となったキュヴェ1/3はリザーヴワインを用いており軽快さを持ちながらふくよかでエレガントなアンリオスタイルを体験できるキュヴェです。

シャルドネ42%、ピノ・ノワール58%、リザーヴワイン比率30%。洗練されたアンリオスタイルをロゼ・シャンパーニュで表現しています。赤いフルーツのアロマと酸味のバランスが特徴的。

優れたヴィンテージの時のみ造られます。このプレスティージュキュべは産地や品質により厳選されたブドウから作られます。ワイン名はオーク樽で醗酵を行っていた頃の、カーヴ係が作業する場シャンティエに由来したものです。

詳細はサントリーのアンリオ商品ページへ
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