神話の街のシャンパンディナー
09.8.4 up
出雲
神話の国。
裏返していえば、
進歩からは取り残された街といわなくもないけれど
僕にはとても神々しくて、心地よくて、という街だった。
出雲市駅直結の宿泊先のホテルのすぐ横には歓楽街と飲食街を足して2で割って
ちょっとさびしくしたような、こじんまりとした路地。
やっぱりここにも不景気と、日本の各地方が抱える「シャッター通り」の現実が。
バーよりもやはりスナックが多いのは
お約束。
夕方、一旦、ここを冷やかして2軒目のバーを決めてから、
出雲市駅から歩いて15分ほどのフレンチへ。
おそらくこの町で唯一のフレンチなんだろう。
雨の月曜日。
やはり予約はランチと週末とそして記念日。
18時という早めの入店。
しばらくは僕と、オーナーシェフだけの静かな時間。
出雲は霧雨の中で、大きくとられた窓の外は静かに暗闇に包まれていく。
BGMはバーブラ・ストライザンド。
蒸暑い夜に、ブラン・ド・ブランのディアボロ・バロア。
はっきりいってここでシャンパンにはありつけないのではないか
と思っていたけれど
リストには3種のシャンパーニュがしっかりオンリストされていて
一番高い所にルイ・ロデレール。
「もっと揃えたいんですけれど、やはりなかなか…」
それでもこの場所で、このリスト。がんばっている。
鳥取産の糖度の高いフルーツトマト、
島根産のチヌのソテー、
そして地鶏のハーブグリルへ。
ディアボロ・バロアのチョイスは絶妙だったと自画自賛w
機をてらわず地元産の普通の食材を
妙な力を入れずに、シンプルに。
都会のフレンチレストランにはない、愛嬌がそこにあった。
なんとなくアイ村で出会ったレストランにも通じるスピリッツ。
今週後半は富山に2泊。
ちょっとさがしてみようかな。
ジャパニーズオーシャンサイドは魚の宝庫。
シャンパーニュとの相性を考えるだけで…ほころんでしまうな。