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シャンパーニュを訪れてはじめてのデギュスタシオン(*)は、朝10時からはじまった。2月とは思えない豊かな太陽の微笑が、清潔感溢れる可愛らしい洋館の2階、デギュスタシオン用の部屋に差し込んでくる。プレス担当のマドモアゼル・オードリーが最初の1本をグラスに注いでいく。 プレスティージュ・ブランドとしての知名度が高いメゾンだが、その建物は実に可愛い、プチホテルの趣。 サロン/ドゥラモットを訪問した前日、私たちはシャンパーニュに入った。16時30分にシャルル・ド・ゴール空港(CDG)に着き、パリ市内を経由せずダイレクトに、新たなシャンパーニュ地方の玄関口となったTGV シャンパーニュ=アルデンヌ駅へ。そこからローカル線に乗り換え、さらにランス駅からタクシー、7日間のシャンパーニュ探訪のベースキャンプとなるアイ村のプチホテルに到着したのは22時近く。その翌朝向かったのが、ここサロン/ドゥラモット。 ここが素晴らしいシャルドネを生み出す畑。2月の訪問時にはもちろん房はないが、この光景が見られるのも貴重。「オフシーズン」ならでは。 デギュスタシオンは、『ドゥラモット ブラン・ド・ブラン NV』、『ドゥラモット ブラン・ド・ブラン 99』、そして『ドゥラモット ブリュット ロゼ』と続く。不思議と朝の舌、鼻、喉は疲れを見せない。むしろ元気さと鋭敏さを増していくような感覚さえ起きる。もちろんドゥラモットが持つ美しいミネラル感のおかげもあるのだろう。特にブラン・ド・ブラン NVのドライ、ライトストレート、そしてフェミニンな世界は、まさにこの村の真骨頂を感じさせるものだった。 プレス担当のオードリーさんからレクチャーをいただく。フレンドリーながらブランド哲学を語るときの視線はなかなか鋭い。 「朝シャン」という言葉がある。これは、休日のブランチタイムにシャンパーニュを楽しむということだが、どこかセレブリティなライフスタイルのイメージで、個人的には乗り切れないところもあった。それでも朝からシャンパーニュを飲むのは幸せだった。 ファン垂涎のオールドボトルがギャラリーにはズラリと並ぶ。設立当時から実にモダンなメゾンであったことをこのデザインからも感じられる。 *デギュスタシオン: テイスティング |