想い出話に寄り添う、極上のヴィンテージ・シャンパーニュ
09.8.4 up
少女時代の一時期を、私は奈良の学園前という街で過ごしたのですが、つい先日、当時毎朝一緒に中学へ通っていた親友のKちゃんと、帰宅途中の駅のホームで偶然の再会を果たしました。転校したばかりで心細い思いをしていた時に、一番最初に友達になってくれたのがKちゃん。それが、お互いに結婚や転職、引っ越しといった理由からいつのまにか連絡先がわからなくなってしまって・・・。ずっと会いたいと思い続けて15年、運命的な再会に人目もはばからず涙してしまいました。「縁があれば、必ずまた会える」という言葉は真実なんですね。
久しぶりの夕食を、二人の家の近所にあるクレプリー「POPHOT」で楽しみました。こちらのガレット、と〜っても美味。私のお気に入りの具材は、ラタトゥイユ・メルゲスソーセージ・チーズ・卵。アンディーブとゴルゴンゾーラのサラダも絶品で、白ワインと相性良し♪
その後、我が家へ移動してシャンパーニュを。
アンリ・ジロー フュ・ド・シェーヌ96を開けました。
昨年アンリ・ジローのメゾンを訪れた時に、「フュ・ド・シェーヌはメゾンのこだわりの全てが詰まった、シャンパーニュの概念を超えたシャンパーニュ。<食後酒>として、シャンパーニュだけで楽しんでいただくことをお薦めします」そんなお話を伺ったことを思い出しながら。
96年は、フュ・ド・シェーヌの中で私が最も気に入っているヴィンテージ。日本で販売が始まった翌年の2006年から、毎年熟成の進行具合を確かめています。今年になって、熟成感に深淵なる奥行きが加わりました。深く濃い味わいは、懐かしい想い出に浸る夜にぴったりと寄り添って・・・。
私が忘れてしまったような事まで本当によく憶えているKちゃんの話に、笑って泣いて。
例えば、私が父の大切にしていたグラスを割ってしまった時、父に怒られるのが怖くて代替のグラスを買いにこっそり一緒にデパートへ行ってもらった話とか(お年玉を握りしめて。笑)そして、私の事だけではなく、家族のことも。母の14回目の命日を目前に、在りし日の母の想い出を語リ合った時間は、きっといい供養になったことでしょう。
「シャンパーニュに合わせてね」と言ってKちゃんがくれた、メゾン・ロミ・ユニのコンフィチュール「Vif」。パイナップルとレモンのコンフィチュールは、あっさりとした白カビ系チーズと合わせて楽しみたい。お昼間、爽やかなノン・ヴィンテージ シャンパーニュと一緒に。
Kちゃん、心あたたまる素敵な時間をどうもありがとう。
また遊びに来てね☆