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M&C最高醸造責任者ブノワ・ゴエズ氏来日セミナー
09.7.30 up
MHDディアジオ モエ ヘネシー様からお招きにあずかり、モエ・エ・シャンドンの最高醸造責任者 ブノワ・ゴエズ氏来日セミナーにお伺いしてきました。
ブノワさんとお会いするのは、昨年行われたグラン ヴィンテージ2003のローンチ・イベント以来なので、実に一年ぶり。ただ再会できることが嬉しくて、内容を全く理解しないままに参加したのですが、これがなんとモエ・エ・シャンドンのベースワイン・テイスティングを含むシャンパーニュセミナー！ブランドの個性を決める"命"ともいえるベースワインは門外不出とされているので、本国エペルネのメゾンでも滅多に体験できることではないそうです。私も初めての経験。それがここ日本で体験できるとは、なんという幸運！！
目の前にずらりと並べられた11種類のベースワインに圧倒されていると、
ブノワさんから最初の司令（笑）が。
ブ「先入観にとらわれることなく、自由に感じていただきたいと思います。これから約10分与えますので、1種類1分でブラインド・テイスティングしてみてください。」
私「え”？？！！」
駆け足でテイスティングを終えると、最初に各々のワインの感想を聞かれました。
その後、第二の司令。「左半分の6つのグラスの中身は、シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエです。それぞれ2種類づつありますが、どれがどの品種かおわかりになりますか？まずはシャルドネから。さぁ、どれでしょう？」
この結果が実に面白くて。出席者のほぼ全員がワイン・アドバイザー以上の資格保持者だったと思うのですが、その9割がシャルドネと思ったものが、実はピノ・ムニエ！！これには驚きでした。日本でのピノ・ムニエの位置づけは、どちらかというと日陰の、補助品種的なものですが、侮ってはいけません。ピノ・ムニエは、シャンパーニュ地方でしか使われない品種。そして、ブノワさん曰く、シャンパーニュに使用される葡萄の中で最も繊細な品種で、シャルドネよりもずっと手間暇がかかるけれども、白ワインのような香りとストラクチャーを生み出すことが可能な品種なのだと。皆さん、これからはもっとピノ・ムニエに注目しましょう！お食事と合わせるなら、繊細な和食との相性が抜群です。
この日のプレゼンテーションの結論は、供された11種類のベースワインの内、3種がブリュット・アンペリアル、3種がグラン ヴィンテージ、2種の赤ワインがブリュット・アンペリアルとグラン ヴィンテージのロゼを造るベースワイン、ということでした。
ちなみに、今回のブラインド・テイスティングで私が最初から正解できたのは、ピノ・ノワールだけ。黒泡好きの面目がなんとか保たれて、ホッ！シャルドネは、敗者復活戦で正解。すべてのテイスティング終了後、私はヘロヘロになっていましたが（愛おしすぎて、どうしても吐き出せないのです。笑）、ブノワさんは一日に50種類ものベースワインをテイスティングされていると伺ってさらに驚きました。
「世界で2秒に1本開けられている」と言われるモエ・エ・シャンドンのシャンパーニュ。どんな天候の年であっても、毎年同じ味わいのシャンパーニュを世界中に安定供給できるのは、ベースワインの豊富なストックを有しているからこそ。初めて経験するユニークなテイスティング会を通して、世界No.1のシャンパーニュ・メゾンの実力を改めて実感したのでした。
シャンパーニュは、知れば知るほど奥の深さを感じます。
知れば知るほど、もっともっと知りたくなって、愛は深まるばかりです。
いつの日かフランスで醸造学を学びたいと思っているのですが、今回のテイスティングセミナーを機に、その思いが一層強くなりました。フランス語をもっと勉強しなければ！
MHDディアジオ モエ ヘネシーの皆さま、貴重な機会をどうもありがとうございました☆
シャンパーニュ騎士団シュヴァリエとして、ファッション誌や企業イベント等でも活躍中のシュワリスタ。本業は、広告制作会社取締役/エグゼクティブ・プロデューサー。
