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sH レポート
業界向けの試飲会やイヴェントの模様、インポーターやメゾンの話題などを、シュワリスタ視点でレポートします
Vol.9
08.5.26 up

『ニコラ・フィアット』ブラン・ド・ブラン5種の試飲会セミナー

text: 藤原光昭 photo: 藤原光昭
取材協力: ニコラ・フィアット日本事務所 / 株式会社ヴィジョン・エイ

1976年創設、唯一創始者が現存するメゾン『ニコラ・フィアット』のこの夏に向けた5種類のブラン・ド・ブランの試飲会セミナーが、4月23日(水)、六本木ヒルズ森タワー51階にて開催されました。

当日は醸造責任者付兼ラボ総合責任者である、ダヴィット・エノー氏とマーケティング&PR責任者のカトリーヌ・トーアー氏が来日され、ニコラ・フィアットの歴史と、5種類のブラン・ド・ブランの説明と味わいについて、スクール形式で試飲会セミナーが行われました。

Tasting Note

今回は、これからの季節に最適なニコラ・フィアット社のブラン・ド・ブラン5種類をテイスティングしました。

Brut Extrem'

ブリュット・エクストレム

2007年6月フランス・ボルドーで行われた世界最大国際ワイン・スピリッツ見本市『VINEXPO』にて発表されたドサージュ・ゼロのブラン・ド・ブラン。酸度が良かったという1996年のシャルドネを使用し、シャンパーニュそのものの味わいやフレッシュ感を引き出させています。フレッシュ感を楽しむために通常よりもさらに冷やして飲むのがおすすめです。スッキリした酸なので、刺身などの和食や冷たい前菜などとのマリアージュが楽しめます。

Brut Blanc de Blancs millésimé

ブリュット・ブラン・ド・ブラン

ニコラ・フィアットブランドの中でも特に人気の高いブリュット ブラン・ド・ブラン。ライムのようなやや緑がかったゴールデンイエローの色調と柑橘系の濃縮した香りがあります。醸造責任者のジャン=ピエール・ヴァンサンのシャルドネへの情熱が結晶した非常に味わいのあるシャンパーニュです。8年の熟成を経ているものの、100%のシャルドネを用いることで、バランスのとれたフレッシュな口当たりと微細なアロマが口に広がります。ホタテなどの貝類や魚介類との相性はとても良いでしょう。

Grand Cru Chouilly millésimé

グラン・クリュ・シュイィ ヴィンテージ1997

ニコラ・フィアットの醸造センター(本社とカーブ)がある、シュイィ村の良質な土壌で作られたシャルドネ100%のシャンパーニュ。シュイィ村の充分なミネラル感と果実味の広がり、そのテロワールの持つ全ての特長をこのシャンパーニュは備えます。酸味と熟成度のバランスがよくとれた仕上がりで、泡は細かく、蜂蜜やクレーム・ブリュレのような香りがあり、味わいはエレガントながらいきいきとした味わいとなっています。

Grand Cru Cramant millésimé

グラン・クリュ・クラマン・ヴィンテージ 1997

クラマン村の土壌は北東-南西を向き、サラン丘陵によって強風をはばまれるという地理的条件や、シュイィと同様、シャルドネ種に適した白亜質できています。非常に雨の多かった1997年のタフで深味のあるシャルドネのみを使用し、その味わいはまろやかで上品な口当たりに仕上がっています。かすかにピスタチオ・ナッツの味も感じられ、カキ、ホタテなどの海の幸との相性は抜群でしょう。

Grand Cru Le Mesnil-Sur-Oger millésimé

グラン・クリュ ル・メニル・シュル・オジェ・ヴィンテージ 1997

名高いコート・デ・ブランの中心に位置する、ル・メニル・シュル・オジェはシャルドネの高品位地域です。シャルドネ種の個性が存分に発揮され、かすかな酸味とともに非常にこくのある豊かな果実味を特徴としています。温かみのある蜂蜜のようなアロマとケーキのような甘い香りが楽しめます。控えめでクリーミーな泡立ちと鼻に抜けるフレッシュ感、そしてデザートシャンパーニュとしても使えそうなまろやかな甘みのある味わいは、どんな食卓でも豊かにする力を持っていそうです。

sH エクスクルーシヴ インタビュー

「私たちが掲げるのは、新しい冒険、そして非日常の楽しみ。
シャンパーニュも同じです」

日本でもなじみの深いニコラ・フィアット。豊富なラインナップと、一本一本丁寧に仕上げられたシャンパーニュは多くの方に愛されています。そんなニコラ・フィアットの醸造責任者付兼ラボ総合責任者である、ダヴィット・エノー氏(以下DH)とマーケティング&PR責任者のカトリーヌ・トーアー氏(以下KT)に、今回の5種類のブラン・ド・ブランの楽しみ方やこだわりを伺ってみました。

今回、5種類のブラン・ド・ブランを試飲させて頂きましたが、他のメゾンではなかなかこのような提案はできないですよね。

DH: そうですね。ニコラ・フィアットの一番の強みはやはり、多くの栽培農家のバックアップがあるということ。また、17のグラン・クリュのうち12の村にネットワークがあるので、非常に質の高いブドウを豊富に手にいれられるのです。ブラン・ド・ブランを構成するシャルドネへの情熱とこの多様な土壌の確保が、今回のような5種類のブラン・ド・ブランという提案につながっているのです。

ニコラ・フィアットは他に比べると割と新しいメゾンかと思いますが、何かテーマやコンセプト、キーワードは掲げていらっしゃるのでしょうか。

DH: 我々のメゾンのロゴの下に「EPERNAY - NEW YORK - AILLEURS」という表記があるのをご存知でしょうか。「AILLEURS」とは「どこか他の場所へ」という意味です。それは「旅をする」ということの夢や新しい冒険、そして旅することで得ることのできる非日常の体験を表現しています。シャンパーニュも同じで、それを飲むことでまるで旅をしているかのような非日常の世界を皆に味わってもらいたい、またニコラ・フィアットというメゾンが今もこれからもフランスだけでなく、常に世界中で愛され続けたい、そんな想いがあの表記には込められているのです。

この5種類のブラン・ド・ブランですが、それぞれ個性的な味わいがありますが、普段はどのようなシチュエーションで飲まれていますか?

KT: ブリュットを飲むことが多いのですがが、これらのシャンパーニュはどの時間帯に飲んでも非常に相性が良いですね。特に朝11時頃からのブランチタイムに飲むことも多いです。女性であれば、よく冷やして、サラダやフルーツなどともに楽しむのも良いと思います。リンゴや洋なし、ライチといった白い果実のフルーツは本当に合います。ディナーなどで飲むときはアペリティフとして楽しむことも多いですね。

ありがとうございます。それでは、最後に日本のシャンパーニュファンに向けて一言メッセージをお願い致します。

DH: まずは、いつでも飲みたいときにシャンパーニュを飲んでみてください。ニコラ・フィアットは、皆さんの一日一日が、特別な記念日になるような、そんな「非日常」の素敵な世界を体験できるように、これからも心を込めてシャンパーニュを作り続けたいと思います。

sH

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