最高級の食事、飲み物を、エアラインならではの上質なサービスで。ファーストクラスで展開される「究極の空の旅」。伝統の「ツルマル」ロゴに再生と新生の意志を込めてスタートしたJALは、日本のフラッグシップとしての誇りと新しい在り方を目指して、ファーストクラスでも果敢なチャレンジを始めています。その象徴のひとつが、日本料理の新しいアイコンである『龍吟』と、常にその動向に注目が集まるシャンパーニュ『サロン』のコラボレーションです。
「ここでしか味わえない」という価値
今回プレゼンテーションされたのは、12月1日〜2月29日までサービスされる冬メニュー。日本全国の冬の旬の素材を使い、「日本の冬の豊かさ」を龍吟、山本シェフが表現したコースですが、特筆すべきは、洋食で表現されていること。ミシュランガイドで4年連続2つ星を獲得し、World's 50 Best Restaurants 2011で世界ランキング20位にエントリーされている、現在の日本料理を代表する山本氏が、なぜ、洋食なのか? そしてJALはなぜ、山本氏に洋食を依頼したのか? そこに、今回のチャレンジのカギがあります。山本氏は「私は洋食の修行をしたことはなく、良い意味で固定観念に縛られていません。ですからトラディショナルな洋食にはならない。それが逆に『機内食の進化』につながるのではないかと思うのです」と語ります。なるほど、コースを味わってみると、見た目は洋食だとしても、『トリュフおからのコロッケ仕立て』や『鰹節のサブレ』『メカジキの味噌柚庵仕立て』など随所に和食の技法、考え方が感じられます。一方で、これぞ伝統の洋食ともいうべき、フィレステーキ×フォワグラという組み合わせでは、和食料理人から伝統的フレンチへの憧憬とリスペクトが感じられ、ボーダレスというよりも、「こだわらないことへのこだわり」の世界が広がります。JALでは、オーセンティックなフレンチに対して「おいしいけれど変化がないね」という声もあったようですが、こうした声に、「JALの空の旅でしか味わえない希少価値」で勝負をかけた、ということ。これこそが新しい「JALが創造する最高のおもてなし」の形なのでしょう。
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優雅な空のレストランの裏側で
「JALの空の旅でしか味わえない希少価値」。選ばれたシャンパーニュはサロンでした。この日供されたのは現在機内でも提供されている1999ヴィンテージ。サロンのディディエ・ドゥポン社長によれば、「これまでエアラインからのお話は全て断っていました」とのこと。今回のコラボレーションを決めた最大の要因は「客室乗務員の質の高さ」であったと言います。実際、地上でどんなに美味しいものを作ったと思っても、また上質のシャンパーニュを揃えたとしても、空の上でのオペレーション、空の上での状況を把握した料理でなければ、全く意味はありません。山本氏も「客室乗務員と龍吟がチームとなってやらなければいけません」と語ります。ドゥポン社長が驚いていたのは、ファーストクラスにかかわる客室乗務員(CA)が、山本氏と同じ盛り付けが機内で再現できるように、VTRを何度も繰り返して(時には講習のVTRを自ら撮影して家でも繰り返し練習をして)努力していること。実際、この日も本職のCA3名がオペレーションとサービスを提供。お話を聞けば、「ワンルームマンションの一口コンロのキッチンで、龍吟の盛り付けを再現する状態」と例えられるほど、機内の狭いスペースでのオペレーションは困難。スペースだけではなく、お客様が欲する時間とタイミングにあわせて、火を入れ(リヒート)、お客様の座席でのすり流しなどの仕上げ、最適な温度でのシャンパーニュのサーヴと多様なオペレーションが求められます。山本氏も「空の上で美味しくなければ意味がありません。リヒート、そのための機械を含めて考えています」とのこと。おもてなしのウラガワには、料理人とシャンパーニュ・メゾンとCAたちの努力がありました。
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サロン×龍吟の「積極果敢」
JAL×龍吟×サロンのコラボレーション。さて、シュワリスタとして気になるのは、龍吟×サロンのマリアージュ。メニューについては別記しますが、ドゥポン社長が思わず驚きの表情を浮かべたのがアペタイザーの『四季のタルト仕立て ズワイガニのカニ味噌和え スモークしたジャガイモとカリフラワーのクリーム サワークリームとトマトフォンデュを絡めて 黄柚子とエストラゴンの香りで』。ブラン・ド・ブランと甲殻類の組み合わせは鉄板であり定番ではありますが、それだけに素材を生かしただけに終わる料理、組合せに陥りがちでもあります。しかし、99ヴィンテージは、現段階で繊細な香味だけではなく、意外な筋肉質とリッチな酸味が感じられ、ここにカニ味噌、スモーキーなクリームがもたらす濃厚な口当たりとサワークリームとトマトフォンデュのさわやかな後味を合わせたことで、「99と龍吟」という、今、ここでしか得られないマリアージュを感じることができます。
メニューを見た時点で「?」マークが浮かんだのが、『龍吟仕立てのジビエ 柔らかな蝦夷鹿 米藁のスモークロースト 生姜のマディラのソースと共に』。鹿とマディラソース、生姜といった組み合わせはジビエ好きからすれば納得の組み合わせであり「秋冬の味覚といえばやはりジビエを出したい。ジビエはもともと龍吟の得意技」(山本氏)という言葉も頼もしく感じます。しかし、サロンとジビエの組み合わせは想像外。「先入観なしに味わってみてください」という山本氏の自信の一言を確かめるように味わってみると、素材だけから想像するものとは全く違う新しい世界が。蝦夷鹿はカツオのたたきのような柔らかさと美しい血を湛え、その旨み、風味をサロン99が一緒に喉の奥へと誘っていくような感覚。そう、こうしたアグレッシヴで、「ここにしかない」世界こそ、今のJALファーストクラスが求め、そして求められるものなのかもしれません。
JAL×龍吟×サロン。シャンパーニュを存分に楽しむ新しい「究極の空の旅」に期待が膨らみます。
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空の上の幸せな結婚
サロン ディディエ・ドゥポン社長コメント
サロンは生産量が少ないこともあり、すべての販売数量は割当制となっています。新しく割り当てるのはとても厳しいものがありました。しかし、実際にJALのファーストクラスを利用して、その宮殿のようなサービスに感激しました。決定の最大の要因はCAの質の高さと言えます。この99ヴィンテージも、2011年4月から積み出しを開始したもので、日本では6月以降に販売されたものですがJALファーストクラスでは1月後半から世界に先駆けてサービスを開始しています。サロンとJALのコラボレーションは、まさにマリアージュ(結婚)のようなもの。その結婚もいろいろありますが(笑)幸せな結婚です。
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このチームでしかできないこと
龍吟・山本征治シェフコメント
実際に機内でどのような状態で提供されているのか、しなければならないのか。JALと龍吟のチームとして何ができるのかを徹底して考え、実行しています。盛り付けはVTRに撮って、CAの皆さんには繰り返して見ていただいています。全員ブレなく龍吟の盛り付けを再現できなければいけない。つまり機内ではCAに私になってもらうんです。次の春メニューの開発もすぐに始まります。温かいもの冷たいもの、その季節らしいものを楽しんでいただくために。空の上の8席のレストラン、このチームでしかできないことを目指してやっていきたいと考えています。
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【食前の小さなお皿 取り合わせ】
・冷たい椎茸のポタージュ 帆立貝とホワイトセロリを添えて 揚葱の香りで
・鰹節のサブレ ブイヨンに漬けた数の子マヨネーズ和え カルダモン風味のタプナードを乗せて
・龍吟スペシャリテ トリュフおからのコロッケ仕立て
【アペタイザー】※3種からチョイス
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キャビアに贅沢仕立て キャビアコンディメントのタルト 陳皮の香りを添えたヴィシソワーズと共に |
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メカジキの味噌柚庵仕立て 舞茸と共に ふわふわに削ったナッツとパルミジャーノ・レッジャーノを散りばめて味噌柚庵クリームのソースと共に |
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四季のタルト仕立て ズワイガニのカニ味噌和え スモークしたジャガイモとカリフラワーのクリーム サワークリームとトマトフォンデュを絡めて 黄柚子とエストラゴンの香りで |
【メインディッシュ】※3種からチョイス(画像は龍吟仕立てのジビエをチョイス)
1 |
和牛フィレステーキ トリュフの香り ペリグーソースと共に フォワグラのポワレ りんごのソテー 蕪のミルフィーユ仕立て |
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メカジキの味噌柚庵仕立て 舞茸と共に ふわふわに削ったナッツとパルミジャーノ・レッジャーノを散りばめて味噌柚庵クリームのソースと共に |
3 |
龍吟仕立てのジビエ 柔らかな蝦夷鹿 米藁のスモークロースト 生姜のマディラのソースと共に |
【パン】
・焼き芋/ピスタチオナッツ/生姜/米粉仕立て
【デザート盛り合わせ】
・焼きたて温かなジンジャーオレンジのタルト オレンジマーマレードと共に
・ココナッツとヨーグルトのアイスクリームを添えて
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冬メニューは、12月1日〜2月29日まで、成田発ロサンゼルス、シカゴ、ニューヨーク、パリ、フランクフルト、ロンドン便のファーストクラスで提供されます。 |