シュワリスタの耐震対策
11.3.23 up
東日本大地震により尊い命を亡くされた多くの方々のご冥福をお祈りいたしますと共に、今も尚、不自由な生活を余儀なくされている被災者の皆様に、謹んでお見舞い申し上げます。
私は東京在住ですが、あの日体験した地震(震度5)は人生の中で最も大きなものでした。電車が止まり、帰宅難民になってしまった方も多い中で、深夜になんとか帰宅の途につくと、想像どおり自宅は散乱。壁に立て掛けていた絵や、棚に飾っていた限定品のシャンパーニュが床に落下して粉々に。一番ショックだったのは、愛猫が落下物で大怪我を負ってしまっていたことです。後ろ足の爪2本が根本から抜け落ち、血まみれになったシーツの上で震えている姿を発見した時は思わず号泣。幸い命に別状はなかったのですが、私の不注意から怖い思いをさせてしまったことを深く反省し、今も連日余震が続く中で、もう二度と同じ事を繰り返さない為にも、自宅でシャンパーニュを楽しむシュワリスタとして気をつけたいポイントを以下にまとめました。読者の皆様の参考になれば幸いです。
■高い場所に保管するべからず
装飾品として、素敵な限定デザインボトルや思い出のボトルなどを棚に飾っている方がいらっしゃると思いますが、落下すると確実に怪我をするので危険です。我が家のような惨事を招かぬようくれぐれもご注意ください。
■ボトルは寝かせて保管すべし
余震が収まるまでの間、セラーに入りきらないボトルは冷暗所(10〜14℃)の床に寝かせて保管しておくと良いと思います。万が一、上から物が落ちてきても大丈夫なように耐衝撃材(タオル等)を巻いておくと更に安心でしょう。
■地震後の品質に関する懸念
シャンパーニュは揺れに敏感。健全な熟成を妨げるだけでなく、劣化してしまう恐れがあると言われています。私も我が家のセラー内のシャンパーニュたちが心配になり、震災から1週間後、試しに1本開けて状態を見てみたのですが、泡立ちや味わいに全く影響はありませんでした。東京にお住まいの方でしたらおそらく問題はないと思いますが、心配な方は、しばらくの間お休みさせてあげるのも良いかもしれません。
■グラス類の保管にも気をつけるべし
揺れにより勝手に食器棚が開いて、高価なグラスが割れてしまったという話を多く聞きました。扉開きの防止には、震度5以上の揺れを感知すると自動的に食器棚の扉をロックしてくれる専用の防災グッズがあります。
「こんな時にシャンパーニュなんて飲めない、不謹慎だ」と仰る方がいて当然だと思います。正直に言って、私自身、災害後の一週間は口にすることができませんでしたから・・・ でも、天から命を長らえさせて頂いた我々非被災者が、このまま悲嘆にくれていても復興の何の役にも立ちません。それどころか、非被災者の過度な自粛は、日本の経済を停滞させ、復興に悪影響を与えかねません。
都内の飲食店には閑古鳥が鳴き、存続が危ぶまれているそうです。限られた物資・食料を買占めるのを止めて、節電と気分転換を兼ねて、お近くの飲食店に足を運んでみませんか?他人の笑顔を見ているだけで、生きていることや平和な日常への感謝の気持ちが沸いて、幸せな気持ちになるものです。表参道にあるシャンパン・バー『carmenere』では、シャンパーニュの売上の一部を『CIVIC FORCE』に寄付するシャンパーニュ・ドネーションを実施しているそうです。私も近いうちに訪れたいと思っています。
一日も早い復興を願って。日本中に笑顔が戻る日を信じて。
他人に対する思いやりや助け合いの心を忘れずに、前向きに頑張っていきたいですね。