Home > 連載 > 前田エクストラ・ブリュット「辛口の理由(わけ)」
前田エクストラ・ブリュット
シャンパーニュを取り巻く話題をちょっと? かなり? 辛口で切り取ります
前田行紀
シュワリスタ・ラウンジではシャンパーニュ・アーカイヴのデータ作成を担当。豊富な知識と旺盛な探究心で、「シャンパーニュの求道者」の異名を持つディープ・シュワリスタ。このコラムでは泡業界を愛と俯瞰、両面で斬っていく。
Vol.1
辛口の理由(わけ)
06.11.8 up
皆様初めまして。

スッキリとしたブラン・ド・ブランが似合う夏も終わり、しっかりした味わい深いブラン・ド・ノワールがおいしい季節となってきましたね。

今回はsHwAlista LOUNGEオープン直後ではありますが、前田エクストラ・ブリュットと題して、少しマニアックなシャンパーニュの話題にも辛口に触れていきます。時にはDemi Secになったり、専門用語も混じりやや難解な内容になるかもしれませんが。お付き合いください。

では最初に、なぜsHwAlista LOUNGEというシャンパーニュに特化したサイトの立ち上げに参加したかということですが、現在日本におけるシャンパーニュの消費量は、ここ10年で5〜6倍に増加し、今年度の7月までの輸入量が約400万本と、世界第5位のシャンパーニュ消費大国とまで言われるようになりました。

実際3年以上前であればシャンパーニュの特集や記事などはクリスマス時期等年に数回メディアに出れば良い方だったのですが、ここ1、2年を振り返って見ると、シャンパーニュの記事が取り上げられない月の方が少なくなってきています。

シャンパンバーと呼ばれるお店も数年前は全国に数えるほどしかありませんでしたが、ここ最近1、2年で都内だけでも10店舗近く新規オープンをしていますし、昨年度は、Ordre des Coteaux de Champagne(シャンパーニュ騎士団)と呼ばれるルイ14世の時代にフランス貴族たちによって設立された由緒ある団体で、シャンパーニュを広める事に貢献した世界各国の名士、ジャーナリスト、美食家などに叙任を行っている団体が来日し、シャンパーニュの販促に貢献した日本国内の著名人へシュヴァリエ(騎士)の叙任式も行いました。

しかし、これほどまで注目を浴びてきているシャンパーニュですが、残念ながらスティルワインに比べ、体系的に紹介したwebページや書籍・雑誌等はほとんど無いというのが現状で、私たち愛好家が情報を集めようとしてもジグソーパズルのようなもので、多くの書籍の取り寄せや、購入に多大な労力と時間が掛かってしまいます。

そのような折、シャンパン会で出会った愛好家たちが、「自分たちも楽しめて、シャンパーニュのリリース情報、銘柄の情報や、グラスでいただけるお店の情報が集まっているサイトがあれば便利だね」と話していたことから、このsHwAlista LOUNGEの企画に新しいムーブメントを感じて参加することになったのです。
では、私の考えるシャンパーニュの楽しみ方ですが・・・基本的にはこう楽しむべき! という縛りはないのです。特に日々私が感じているのは、ディープなシャンパーニュ愛好家になるほど、シャンパーニュはこうあるべきという固定観念を持っているような気がします。もちろんそれが悪いわけではありません。しかしシャンパーニュは約数5,000種類程あるといわれています。つまりシャンパーニュの数×飲む人の数だけ楽しみ方があるといえます。sHwAlista LOUNGEでは様々なシーンや各国料理、あるいは一見シャンパーニュとは縁遠いと思われるものまで、多種多様の切り口からシャンパーニュの紹介を行っていきまので、今までとは違った楽しみ方ができるかもしれません。

今までシャンパーニュが好きだった方はもちろん、ワインは飲むけどシャンパーニュはちょっとという方から、泡の立つ飲み物はビールだけしか飲まないという方まで、幅広い層に自分なりのシャンパーニュの楽しみ方を発見してもらえれば、これほどすばらしいことはありません。

今まで「シャンパーニュは特別なときに飲むものだ」、「シャンパーニュは特別な人たちの飲み物だ」と思っていたあなたにこそ、ぜひ見ていただきたいのです。きっと新しい発見が待っています。
SH

連載バックナンバー

連載の新着情報を知りたい方は今すぐ会員登録へ! 会員登録はこちら

VOTE

自宅のシャンパーニュは何本ぐらいある?