お酒の中で、「シャンパーニュが最も景気と連動している」と良く言われています。逆に言えば、シャンパーニュの消費量で現在の景気も分かるということです。
ここ10年ほど右肩上がりであった日本のシャンパーニュ市場も昨年から少し変化が見えてきました。
始まりは2007年、この年は原油の高騰と、ワインの値上が顕著な年でした。燃料サーチャージが注目された年でもありますね。この年は日本ではプチバブルでもあり過去最高本数のシャンパーニュを消費した年でもあります。
2008年は最高の売り上げを記録した2007年に比べ、一転して減少し日本で約5%の消費減となり、ここ数年の勢いは感じられませんでした。
昨年といえば、リーマン・ブラザース破綻はまだ記憶に新しいことでしょう。リーマンブラザーズが破綻した2008年9月までの出荷量は世界ベースで1億9420万本。これは2007年度と比較して2.41%の減少でした。8月までの累計は2007年度の0.92%減と比較すると、
シャンパーニュが景気に左右されやすい飲み物であることは頷けますね。昨年上半期で既にシャンパーニュの輸入量が減少しており、景気衰退のサインは出ていたわけですね。
さて2008年といえば1月、そして4月と大手のメゾンがシャンパーニュの価格を軒並みアップさせたことはシャンパーニュ愛好家の皆さんには記憶に新しい事でしょう。
もちろん2007年から高騰していた原油の価格やユーロ高などが元となり輸入コストなどが上昇し、結果として2008年に販売するシャンパーニュの価格に影響が出てきたわけですが、ここにはインポーターの苦悩決断もあったことでしょう。
なぜなら輸入会社は契約しているメゾンに対して、ある一定の売り上げを行うことを元に契約されています。一般的な市場原理では値上げをすれば売上げ本数は落ちます。
しかし輸入コストやユーロ高が影響した結果値上げに踏み切らざるを得なかった輸入会社もあったのではないでしょうか。
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