ワインであれば、数多くのワインを試飲して、その中からソムリエのいちおしや、売れ筋を意識して仕入れをし、独自性を打ち出している店は多く存在します(恐らく名の通っているレストランの大半はそうでしょう)。しかしシャンパーニュではまだ少なく、ただ出入の業者が持っているものを置いただけという店が多いように思われます。それだけではなく、ワインであれば、この料理にはこのワインが合うと言ったような、お店独自のこだわりや、お勧めを持っているお店は多数存在するのですが、シャンパーニュはどうでしょう? シャンパーニュを売りにしている店舗でさえ、十分な知識を持たないスタッフや料理人を見かけます。これは一昔前のワインブームの頃を髣髴とさせますね。
客がお店に求めるものは、的確な味わいの表現と、好みの味覚から、自分にあった1本を選び出してくれることだと思うのです。お店側は正確な知識と、マリアージュなどのセンスなど最低限の事は身につけて、そのうえでサーヴィスするべきではないでしょうか。私はシャンパーニュとは知識で飲むものではなく、五感で飲むものだと考えていますが、このようなお店側の優れた知識やセンスがあって、はじめて、客側は知識で頭をいっぱいにすることなく、楽しめるのではないかと。
シュワリスタ的には、たとえ品数は少なくても、自分のお店の味を知って、料理や雰囲気に合ったシャンパーニュが提供されるお店が増えることを願っています。
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